ヒストン脱アセチル酵素阻害剤のpanobinostatは、前治療を受けた再発性または治療不応性のホジキンリンパ腫(HL)において、奏効率26%、病勢コントロール率(DCR)86%と良好な抗腫瘍活性を示していることが、フェーズ2試験の結果から明らかになった。忍容性も良好で、同剤による長期の治療も可能と考えられた。スペインHospital de la Santa CreuのAnna Sureda氏が、6月10日から13日までスペイン・バルセロナで開催された欧州血液学会で発表した。

 HLは若年の患者が多く、治療不応性または造血幹細胞移植後に再発した患者の医学的なニーズは満たされていないのが現状だ。造血幹細胞移植を受けた患者の40〜60%で再発し、無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)は不良である。再発後のOSは2年時55%、5年時32%であったことが報告されている。

 Panobinostatは、後成的・非後成的な腫瘍形成経路を標的とする経口のヒストン脱アセチル酵素阻害剤。In vitroで、ナノモルレベルの低濃度でHL細胞株における腫瘍細胞の増殖を抑制し、アポトーシスを誘導することが示された。フェーズ1試験では、治療不応性または再発性のHL患者で有望な抗腫瘍活性が観察されている。

 Sureda氏らは、panobinostat単剤のオープンラベルのフェーズ2試験(E2214)を実施した。この試験ではpanobinostatは 40mgを週3回、毎週投与し、21日を1サイクルとした。有害事象による用量の調整は可とした。 有効性の評価はCTまたはMRIで2サイクル毎に行った。

 試験の主要評価項目は客観的奏効率、副次的評価項目は奏効までの期間(TTR)、奏効期間(DOR)、PFS、安全性、OSであった。

 2010年2月までに、13カ国、45施設から、自家造血幹細胞移植(AHSCT)と高用量化学療法を施行後に進行を認めたHL患者129人(年齢中央値32歳、男性66人)が登録された。患者の96%が結節硬化型または混合型のHLであった。

 前治療の化学療法のレジメン数は中央値で4、最終治療で奏効しなかった患者は37%であった。初回のAHSCTから再発までの期間の中央値は8カ月で、同種造血幹細胞移植を受けた患者12人(9%)も含まれた。

 現在、患者の28%が治療を継続しており、その多くが6カ月以上治療を受けている。

 予備的な有効性解析では、患者の91人(71%)に腫瘍の減少を認めた。完全寛解(CR)は4人(3%)、50%以上の腫瘍の減少を認めた部分寛解(PR)は29人(22%)、安定(SD)78人(60%)だった。全奏効率は26%、DCRは86%となった。

 TTRの中央値は7週間、DORの推定値の中央値は7.2カ月、PFSの中央値は5.9カ月であった。

 最も多くみられたグレード3または4の有害事象は血小板減少症(64%)で、好中球減少症、貧血がこれに次いだ。患者の14%が有害事象により治療を中止した。血小板減少症の多くは可逆性で、投与の中断や調整で管理可能であった。

 12カ月以上治療を継続した患者は8人で、CR1人、PR6人だった。Panobinostatの投与期間は12.1〜19カ月、減量を必要とした回数は0回が1人、1回が3人、2回と3回が各2人であった。