ドイツUniversity of CologneのPeter Borchmann氏

 予後良好な早期ホジキンリンパ腫を対象に、ABVD療法(ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)の2サイクルと4サイクル、領域照射(IFRT)の20Gyと30Gyを比較した結果、4群で効果に差がないことが、German Hodgkin's Lymphoma Study Group(GHSG)のHD10試験の最終解析で明らかになった。同グループは、毒性を考慮し、ABVD療法2サイクルとIFRT 20Gyの併用が標準治療になると提言した。6月10日から13日までスペイン・バルセロナで開催された欧州血液学会で、ドイツUniversity of CologneのPeter Borchmann氏が報告した。

 HD10試験では、リスク因子のない病期I/II患者1370人を対象に、2×2デザインで、ABVD療法4サイクル+IFRT(involved-field radiotherapy)30Gy、ABVD療法4サイクル+IFRT 20Gy、ABVD療法2サイクル+IFRT 30Gy、ABVD療法2サイクル+IFRT 20Gyの4 群が比較された。年齢中央値は36歳(16〜75歳)、女性が39%を占め、病期IAが30%、IBが2%、IIAが62%、IIBが6%だった。

 まずABVD療法のサイクル数で比較した結果、完全寛解CRはABVD療法4サイクルを用いた2群(596人)で57%、ABVD療法2サイクルの群(594人)では51%、臨床的に寛解状態にあるが画像上異常所見があるCRuはそれぞれ40%、46%と寛解率は同じだった。

 5年無増悪生存(PFS)率は両群とも90%を超え、群間の差はわずか2.3ポイントだった(p=0.24)。また全生存期間も有意な違いはなかった。このためBorchmann氏は、「ABVD療法2サイクル+IFRTは4サイクル+IFRTに劣らない効果がある」と指摘した。

 しかし、グレード3/4の有害事象は、ABVD療法4サイクルの群(588人)で52%、ABVD療法2サイクルの群(585人)では33%(p<0.0001)、またグレード3/4の白血球減少がそれぞれ24%、15%、悪心・嘔吐が13%、9%など、ABVD療法4サイクルの方で多かった。

 線量の20Gyの群と30Gyの群を比較しても、5年PFSは有意差がなかった(p=0.93)。しかし、グレード3/4の有害事象は、20Gy群の2.9%に比べ、30Gy群で8.7%と多く、嚥下障害はそれぞれ5.3%、2.2%、粘膜炎が3.4%、0.7%だった。

 4群間の比較でも、全生存期間に有意な違いが認められなかった。これらの結果から演者らは、「予後良好の早期ホジキンリンパ腫にはABVD療法2サイクル+IFRT 20Gyが新しいスタンダード治療である」と結論した。

 GHSGでは、リスク因子のない病期I/IIを対象に、ABVD療法2サイクルの後、PET(ポジトロン断層撮影法)を効果判定に用いて、PET陰性であれば放射線療法の経過観察、陽性の場合はIFRT 20Gyを行って、ABVD療法2サイクル+IFRT 20Gyによる標準治療群と比較する試験を進めている。