ベルギーUZ LeuvenのGregor Verhoef氏

 抗CD22ヒト化抗体製剤のCMC-544(inotuzumab ozogamicin)は、再発性の濾胞性リンパ腫(FL)とびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)においてリツキシマブとの併用で良好な全奏効率(ORR)と無増悪生存率(PFS)を示し、血液毒性や肝機能低下などの有害事象も管理可能な範囲のものであることが、フェーズ1/2試験の結果、示された。6月10日から13日までスペイン・バルセロナで開催された欧州血液学会で、ベルギーUZ LeuvenのGregor Verhoef氏が発表した。

 CMC-544(inotuzumab ozogamicin)は、強力な抗腫瘍物質のカリケアマイシンを結合させた抗CD22ヒト化抗体製剤。

 CD22は、B細胞非ホジキンリンパ腫(NHL)のほとんどに発現する。CMC-544はNHLで治療歴がある患者と治療不応性の患者において、最大耐用量(MTD)は1.8mg/m2であること、単剤で良好な有効性と忍容性を示すことがフェーズ1試験の結果から報告されている。

 Verhoef氏らは、再発性のFL、再発性のDLBCL、治療不応性で「進行性」のNHLなどのNHLを対象として、リツキシマブとの併用でCMC-544の臨床的な活性を評価するフェーズ1/2試験を実施した。

 試験は2つのパートで構成され、パート1では増量法でMTDを確認した。パート2ではMTDでコホートを拡大し、リツキシマブによる前治療を受けたCD20陽性およびCD22陽性のB細胞NHL患者における有効性と安全性を評価した。

 111人が登録され、FL群38人(年齢中央値63.5歳)、DLBCL群43人(同72歳)、治療不応性のNHL群30人(同63歳)となった。

 FL群とDLBCL群の患者が受けた前治療は2回以下で、リツキシマブを含む治療に不応性の患者は含まなかった。治療不応性のNHL群には、DLBCL、マントル細胞リンパ腫、形質転換を伴うFLなどを含み、前治療の回数は制限しなかった。3回以上前治療を受けた患者の割合は60%、前治療で進行(PD)となった患者は77%で、他の2群と比べて高かった。3群とも70%以上がステージIIIまたはIVの患者であった。

 リツキシマブはday1に375mg/m2を、CMC-544はday2に0.8 mg/m2、1.3 mg/m2、1.8mg/m2の3段階の用量で投与し、28日を1サイクルとして、PDとならなければ8サイクルまで継続した。

 全患者のサイクル数の中央値は4.0で、FL群5.5、DLBCL群5.0、治療不応性のNHL群2.0であった。全患者の追跡期間の中央値は16.0カ月で、FL群21.2カ月、DLBCL群16.0カ月、治療不応性のNHL群5.1カ月であった。

 全患者の10%に薬剤関連性の重篤な有害事象が発現した。全患者の15%以上に発現したグレード3または4の薬剤関連性の有害事象は、血小板減少症31%、好中球減少症18%であった。肝機能低下はほとんどがグレード1または2で、AST上昇(35%)、高ビリルビン血症(25%)などが多く発現した。

 MTDにおける完全寛解(CR)と部分寛解(PR)を合わせた全奏効率(ORR)は、FL群84%、DLBLC群80%であったが、治療不応性のNHL群では18%であった。

 PFSの中央値は、FL群では到達しておらず、DLBCL群15.6カ月、治療不応性のNHL群1.8カ月であった。

 1年全生存率(OS)は、FL群95%、DLBCL群80%、治療不応性のNHL群では到達していなかった。

 形質転換を伴うFLとDLBCLのサブグループでは、前治療に対する奏効によりPFSは顕著に異なり、予後の予測因子となる可能性が示された。CRを達成した28人のPFSの中央値は17.1カ月、PRまたは安定(SD)だった18人では6.8カ月、PDとなった19人では1.7カ月であった。

 カリケアマイシンの総量で測定したCMC-544の最高血清濃度は治療サイクルを通してほぼ同等で61.0〜71.1ng/mlで推移したが、AUCはサイクルを重ねるごとに増加した。半減期も1サイクル以後に延長した。3サイクル目以後、曝露のピークとAST上昇、高ビリルビン血症の発現は相関した。

 Verhoef氏は「今回得られた結果は、臨床におけるCMC-544の開発の継続を支持するもの」と話した。