抗CD20モノクローナル抗体製剤リツキシマブと化学療法による寛解導入療法で効果が認められた濾胞性リンパ腫患者において、リツキシマブによる維持療法がリンパ腫の再発リスクを有意に低下させ、有害事象による治療中止も少ないことが、国際的無作為化フェーズ3試験PRIMAの中間解析で明らかになった。6月10日から13日までスペイン・バルセロナで開催された欧州血液学会で、仏Hospices Civils de Lyon & Universite Claude BernardのGilles Salles氏らが報告した。

 リツキシマブについては、今年3月に欧州で、未治療の進行濾胞性リンパ腫の維持療法薬として適応拡大申請が行われている。同年4月には米で同様の申請が行われている。これらの申請は、PRIMA試験の結果に基づく。

 PRIMA試験は、未治療の進行濾胞性リンパ腫患者1217人を対象に、リツキシマブと化学療法による寛解導入療法で効果があった患者に、リツキシマブによる2年間の維持療法を行い、その有効性と安全性を検討した。

 寛解導入療法としてリツキシマブと化学療法を行い、奏効した患者1018人に対して、維持療法としてリツキシマブ375mg/m2を8週置きに2年間投与する群(505人)と経過観察のみの群(513人)に無作為に割り付けた。なお導入療法の化学療法には、CHOP療法(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)と、CVP療法(シクロホスファミド、ビンクリスチン、プレドニゾロン)、FCM療法(フルダラビン、シクロホスファミド、ミトキサントロン)が用いられた。

 主要評価項目である無増悪生存(PFS)は、24カ月時点のPFS率が維持療法群で82%だったのに対し、経過観察群は66%で、ハザード比は0.50(95%信頼区間;0.39-0.64)だった。年齢(60歳未満、60歳以上)、FLIPI(濾胞性リンパ腫国際予後指標;1以下、2、3以上)、寛解導入療法(R-CHOP療法、R-CVP療法、R-FCM療法)、寛解導入療法の効果(完全寛解、部分寛解)によるサブグループ解析でも、維持療法群は良好な結果を示した。

 さらに、維持療法群では別のリンパ腫治療薬に変更するリスクが減少した(ハザード比は0.61、p<0.0003)。

 維持療法後で完全奏効が見られた患者の内訳をみると、寛解導入療法後も完全奏効を維持していた患者は、維持療法群258人中209人、経過観察群190人では153人、寛解導入療法後は部分奏効もしくは病勢安定だった患者はそれぞれ49人、37人だった。

 グレード 3/4の有害事象は維持療法群が23%、経過観察群が16%と、維持療法群で多かったが、新たな有害事象はなかった。グレード3/4の好中球減少はそれぞれ4%、1%未満、グレード3/4の感染症も4%、1%未満、グレード2以上の感染症は37%、22%だった。なお、有害事象による治療中止の患者は両群とも少なく、維持療法群では10人、経過観察群は1人だった。

 これらの結果からSalles氏は、「リツキシマブと化学療法による寛解導入療法後のリツキシマブ維持療法は、濾胞性リンパ腫の治療成績を改善した。濾胞性リンパ腫の一次治療として、新しい標準治療になるだろう」と考察した。