びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)において、PETやPET/CTは治療前の病期診断や効果判定に用いられている。しかし、偽陽性・偽陰性の問題や検査時期、陽性と陰性の評価基準など、コンセンサスが得られていない部分も多い。6月10日から13日までスペイン・バルセロナで開催された欧州血液学会のセッション「Lunch Debate」で「Do PET scans play an essential role in guiding treatment of DLBCL ? 」と題し、賛成(YES)と反対(NO)の意見が交わされた。

 賛成の立場で発表したのは、ドイツUniversity Hospital Essen、Department of HematologyのUlrich Duhrsen氏。反対の立場からは、オランダUniversity of Amsterdam、Department of HematologyのAnton Hagenbeek氏が発言した。

 PET検査を行う時期は、病期診断のために行う治療前と、効果判定のための治療中および治療終了後の3つに分けることができる。Duhrsen氏はまず、治療前の病期診断について、PETはCTや生検との一致率が高く、病期診断に有用であるとした。一方、Hagenbeek氏はCTによる病期がPETによって変わるのは10〜30%程度であり、それによって治療法を変えるケースは5%未満であるとし、PETの有用性は極めて限定的とした。

 次に、治療中のPET検査で、化学療法や免疫化学療法に対する感受性が評価でき、効果予測因子になるかどうかという点について意見が分かれた。Duhrsen氏は、治療中のPET検査で効果判定をすることは、治療を継続するかどうかといった治療決定に役立つと主張。また、DLBCLを含む中高悪性度(アグレッシブ)リンパ腫では、PET検査による効果判定で病変が認められた場合(陽性)に比べ、認められなかった場合(陰性)は予後が良好であることが報告されていることを提示した。

 ただし、ここには偽陽性、偽陰性の問題があることもDuhrsen氏は指摘した。視覚的な評価とFDGの腫瘍内取り込み量 (SUV)による評価では、陰性と陽性の判断が異なることがあるのだ。また、治療からPET検査までの期間によっても判断が変わってくる。例えば、化学療法後、腫瘍細胞は経過とともに減少するが、炎症性細胞は化学療法後に増加してくるため、この炎症性細胞の増加が偽陽性につながるという。

 一方、偽陽性に関してHagenbeek氏は、PETによる効果判定が予後を予測するとした報告は「ほとんどがリツキシマブで治療をされていない患者」であり、リツキシマブを用いた最近の報告ではPET陰性と陽性でPFSやEFSに違いが見られないとする結果も増えていると主張。このほか、非ホジキンリンパ腫の病理形態が異なることや、治療レジメンの違い、あるいはG-CSFの使用なども、偽陽性に関与しているとした。

 2人の意見が一致した部分もあった。陽性か、陰性か、というPETの解釈について標準化が必要であるという点だ。Hagenbeek氏は、ECOG 3404試験の結果を紹介。3人の専門家がR-CHOP療法後にPETで効果判定をしたが、ECOG基準で一致したのは68%であったことから、「PETの解釈には標準化が必要」とHagenbeek氏。そして「“NO”とした点も、プロスペクティブな臨床試験で結果が得られれば、またPETの解釈に関する基準がより改善すれば、“YES”に変わるだろう」と述べた。