術後補助化学療法を受けている乳癌患者では、半数以上に睡眠障害が見られ、特に治療4サイクル時に多いことが、睡眠に関する質問票を用いた調査で明らかになった。また患者だけでなく介護者でも睡眠障害が認められた。英国University of DundeeのGrigorios Kotronoulas氏が、9月27日から10月1日までアムステルダムで開催されたEuropean Cancer Congress 2013(ECC2013)で発表した。

 睡眠障害は化学療法を受けている早期乳癌女性に多くみられ、夜間の睡眠不足が日中の行動に障害をもたらす。また患者だけでなく、患者を介護する家族や友人もまた睡眠不足に悩まされ、継続的な睡眠不足は介護に影響を与えるとともに、それにより患者と介護者の関係性も変化していくといわれている。

 そこでKotronoulas氏は、スコットランドで、stage I-IIIA乳癌患者とその介護者を対象に、術後補助化学療法を開始前、化学療法1サイクル後、4サイクル後、化学療法終了3週間後に、ピッツバーグ睡眠質問票(PSQI)など、睡眠に関する質問票を用いて睡眠状態を調べた。

 解析対象は48組、患者の年齢は38-74歳、介護者の年齢は18-89歳。患者と介護者の関係は、夫婦が62.5%、パートナーが20.8%、母と子供が14.6%、友人が2.1%だった。また患者と介護者が同じ家に住んでいる人が87.5%、同じ寝室を使っている人が77.1%を占めた。睡眠に問題があった経験があると答えた人は、患者で58.3%、介護者で50%だった。

 解析では、PSQIのglobal sleep quality index(GSQI)スコアが5を超えた状態を、睡眠の質が低下しているとした。その結果、睡眠の質が低下している患者は、治療開始前は52.1%、治療1サイクル後は72.3%、4サイクル後は76.7%と多くなり、治療終了後も64.3%であった。一方、介護者ではそれぞれ45.8%、43.5%、48.7%、35.1%であった。
 
 また患者と介護者のいずれかに睡眠の質の低下があるケースは、治療開始前は29.2%、治療1サイクル後は47.8%、4サイクル後は48.7%、治療終了後も47.2%であった。患者と介護者の両者とも睡眠障害があるケースはそれぞれ35.4%、34.8%、38.5%、25%であった。

 睡眠障害が治療4サイクルで多くなる傾向は、患者における睡眠時間や日中の仮眠時間でも同じだった。

 この結果から、「睡眠障害が最も問題となるのは、化学療法4サイクルであり、治療終了後も睡眠障害は続いている」とし、「睡眠障害に対する管理は乳癌患者と介護者の両方に対して行われるべきである」とした。