再発卵巣癌に対し、VEGF阻害薬trebananibとweeklyパクリタキセルの併用投与は、weeklyパクリタキセル単独投与と比べて無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したことが示された。国際共同フェーズ3試験TRINOVA-1の結果によるもので、10月1日までアムステルダムで開催されたEuropean Cancer Congress 2013(ECC2013)で、Creighton University School of Medicine and University of Arizona Cancer CenterのBradley.J.Monk氏が発表した。

 trebananib(AMG386)は、アンジオポエチン1または2がTie2受容体に結合するのを阻害するペプチドFc融合蛋白。アンジオポエチンは、リンパ脈管新生を制御しており、アンジオポエチン1は形成される血管の質に、アンジオポエチン2は血管の量に影響を与えるとされる。卵巣癌患者ではアンジオポエチン1、2が亢進していることも報告されている。

 これまでに、再発卵巣癌患者へtrebananibを単剤投与したフェーズ1試験で有効性が示されているとともに、フェーズ2試験ではパクリタキセルと併用投与することでPFS中央値が延長した。

 今回報告したのは、再発卵巣癌患者に対しweeklyパクリタキセルと併用した場合の効果を評価した国際共同無作為化フェーズ3試験。このうちPFS、全生存期間(OS)の中間解析結果を報告した。

 対象は、GOG PSが0または1、前治療は3レジメン以下で、プラチナ製剤を含むレジメン投与から再発までの期間(PFI)が12カ月未満の再発卵巣癌患者。trebananib+weeklyパクリタキセル群(以下trebananib群)、プラセボ+weeklyパクリタキセル群(以下プラセボ群)の2群に無作為に1:1で割り付け、病勢進行(PD)または許容できない毒性が発現するまで投与した。パクリタキセルは80mg/m2をday1、8、15に4週間毎に、trebananibは15mg/kgを1週間毎に投与した。

 主要評価項目はPFS、副次評価項目はOS、客観的奏効率、CA-125による奏効率、有害事象の発現率など。
 
 登録は2010年11月〜2012年11月に行われ、32カ国179施設から919人が登録された。プラセボ群に458人、trebananib群に461人を割り付けた。

 プラセボ群の年齢中央値は59歳、trebananib群が60歳、GOG PSが0の患者は55%、56%。原発腫瘍が卵巣癌だったのがそれぞれ91%、92%で、腹膜腫瘍は5%程度。組織型は、漿液性癌が8割超だった。前治療が1ラインだった患者はそれぞれ38%、41%、2ラインだったのは38%、38%、PFIが6カ月未満は53%、51%だった。

 追跡の結果、プラセボ群のPFS中央値は5.4カ月だったのに対し、trebananib群は7.2カ月と有意に延長した(ハザード比0.66、95%信頼区間:0.57-0.77)。

 奏効率はプラセボ群が29.8%だったのに対し、trebananib群が38.4%で有意に高かった(p=0.0071)。プラセボ群の完全奏効(CR)は5%、部分奏効(PR)は25%、病勢安定(SD)は39%、trebananib群はそれぞれ4%、35%、37%だった。

 OS中央値の中間解析では、プラセボ群が17.3カ月、trebananib群が19.0カ月で有意差は確認されなかった(ハザード比0.86、95%信頼区間:0.69-1.08)。OSの最終解析結果は2014年に発表される見込み。

 trebananib群に見られた主なグレード3以上の有害事象は、好中球減少症が6%、局所の浮腫、腹痛が5%など。全グレードの高血圧は6%、グレード3以上の静脈血栓塞栓症が4%など。治療関連有害事象でtrebananib群で顕著だったのは局所性浮腫で、全グレードの発症例の割合はプラセボ群が26%だったのに対し、trebananib群は57%だった。胸水、腹水もtrebananib群で特に多かった。

 EQ-5D、OCS、FACT-Oを用いて患者QOLを評価したところ、trebananib群のQOLは低下することなく維持された。