転移性腎細胞癌に対するファーストライン治療を検討した11の臨床試験のネットワークメタ解析から、8つの転移性腎細胞癌に対する分子標的治療のうち、PFSに関してスニチニブが最良のファーストライン治療である可能性が示された。10月1日までアムステルダムで開催されたEuropean Cancer Congress2013で、イギリスRoyal Marsden NHS Foundation TrustのJames Larkin氏が発表した。

 近年、数多くの分子標的薬の登場により転移性腎細胞癌の治療は大きく変化しているが、それぞれの薬剤を直接比較した試験が少ない。そこで、同グループは、ファーストライン治療における有効性を比較検討するため、システマチックレビューおよびネットワークメタ解析を行った。

 論文データベースおよびASCO、ASCO-GU、ESMOでの発表を対象に検討した結果、転移性腎細胞癌に対するファーストライン治療の試験を条件として設定したシステマチックレビューの適格基準に合致したのは、45のランダム化比較試験に関する85編の報告だった。また、ネットワークメタ解析はPFSに関するハザード比を検討する目的で、11のランダム化比較試験が選ばれた。

 選ばれた11のランダム化比較試験は、ソラフェニブとインターフェロン-α(IFN-α)を比較した試験(Escudier 2009)、アキシチニブとソラフェニブの試験(Hutson 2013)、ベバシズマブ+IFN-αとIFN-αの試験(Mellchar 2008、AVOREN)、スニチニブとIFN-αの試験(Motzer 2009)、チボザニブとソラフェニブの試験(Motzer 2012、TIVO-1)、パゾパニブとスニチニブの試験(Motzer 2012、COMPARZ)、エベロリムスとスニチニブの試験(Motzer 2013、RECORD-3)、ソラフェニブとプラセボの試験(Negrier 2009、TARGET)、ベバシズマブ+IFN-αとIFN-αの試験(Rini 2008、CALGB)、テムシロリムス+ベバシズマブとIFN-α+ベバシズマブの試験(Rini 2012、INTORACT)、パゾパニブとプラセボの試験(Sternberg 2010、VEG105192)。

 解析の結果、無増悪生存期間(PFS)について、スニチニブがソラフェニブ、エベロリムス、ベバシズマブ+IFN-α、テムシロリムス+ベバシズマブと比較して有意に良好だった。スニチニブはパゾパニブやチボザニブ、アキシチニブに対してもPFSで良好な傾向が認められたが、統計学的に有意ではなかった。ベイジアン解析の結果、スニチニブが最良のファーストライン治療である可能性は71%と示された。

 感度分析を行った結果、スニチニブが最良の治療でない可能性が30%と算出されたが、これはアキシチニブ、チボザニブでも同程度の可能性が示された。また、スニチニブとパゾパニブを比較した結果、スニチニブの方が「最良」と示される可能性が高かった。他の薬剤が最良と示される可能性は1%以下だった。

 OSについては、各試験において試験薬後の治療内容やクロスオーバーなどの影響により解析が困難になるため、検討は行わなかった。