進行胃癌に対し、術前化学療法としてEOX療法(エピルビシン、オキサリプラチン、カぺシタビン)と化学放射線療法(カぺシタビン、オキサリプラチン)を行い、その後手術を行う治療様式は、病理学的完全奏効(pCR)率19%、R0切除率90%となり、実現可能かつ安全であることが、多施設共同のフェーズ2試験の中間解析から示された。9月27日から10月1日までアムステルダムで開催されたEuropean Cancer Congress 2013(ECC2013)で、イタリアC.R.O-National Cancer InstituteのAntonino De Paoli氏が発表した。

 Paoli氏らは、進行胃癌に対し、術前化学療法と化学放射線療法を終えてから手術を行う治療法を評価するフェーズ2試験を実施した。今回は患者登録後の中間解析から、早期の結果が報告された。

 対象は、uT3-4でリンパ節転移陰性、またはT分類は問わないリンパ節転移陽性の胃腺癌または胃食道接合部腺癌で、遠隔転移がなく、切除可能と考えられる患者だった。

 まず術前化学療法として、EOX療法を21日を1サイクルとして3サイクル行った。EOX療法では、エピルビシン50mg/m2を1日目、オキサリプラチン130mg/m2を1日目、カぺシタビン625mg/m2を1日2回、1-21日目まで投与した。その後、化学放射線療法として、強度変調放射線治療(IMRT)で計45Gyを5週間かけて照射し、カぺシタビン625mg/m2を1日2回、1-35日目まで投与し、オキサリプラチン30mg/m2を週1回、5週間投与した。手術は化学放射線療法から4-6週後に行い、必要に応じて術中放射線治療(IORT)で10Gyの照射も行った。

 主要評価項目はpCR率で、推定pCR率を15%とし、pCRが得られた患者が1人以下の場合は試験を中止することとした。

 2008年11月から2012年12月までに24人が登録され、年齢中央値は58歳、男性19人、ECOG PS 0の患者は20人だった。腫瘍の部位は、11人が食道胃接合部癌、13人が胃癌だった。T3でリンパ節転移陽性の患者が14人を占めた。

 EOX療法を完了したのは24人中21人(87%)だった。除外された3人中、2人は1サイクルのみで終了(1人は拒否、1人は腫瘍からの出血)、1人は2サイクル施行後にグレード2の血液毒性が遷延した。21人(100%)が化学放射線療法を完了し、全例が手術に進んだ。IORTは12人(57%)に行われた。術前化学療法を完了した21人が今回の中間解析の対象となった。

 その結果、pCRは4人で得られ、pCR率は21%となった。4人ともuT3N+、pT0N0の症例だった。全体のDownstagingは67%、リンパ節のDownstagingは65%で得られた。

 術前化学療法の毒性として、グレード3の毒性が21人中4人(19%)に発現した。グレード3の白血球減少は2人(10%)、心毒性、無力症は各1人に発現した。

 術前化学療法のコンプライアンスをみると、EOX療法を完了したのは24人中21人で、87%となった。全サイクルで減量したのは63サイクル中7サイクル(11%)だった。

 続く化学放射線療法では、グレード2-3の毒性は21人中9人(43%)に発現し、多く観察されたのはグレード2の白血球減少4人(19%)と血小板減少2人(10%)、グレード3の白血球減少3人(14%)だった。コンプライアンスは、放射線療法86%、カぺシタビン81%、オキサリプラチン60%だった。

 手術では、R0切除は21人中19人(90%)で可能だった。胃全摘術は13人、胃亜全摘術は6人に行われ、D2リンパ節郭清は19人全例に行われた。化学療法開始からの期間の中央値は163日(範囲:131-183)だった。主な術後合併症は1人に発生した。

 Paoli氏は「今回の21人の解析から、19%という注目に値するpCR率が得られ、試験を継続する基準に適合した。手術までの期間も予定された通りで、R0切除率も高かった」と述べた。