転移性腎細胞癌に対するチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)によるファーストライン治療後の無増悪生存期間(PFS)や治療成功期間(TTF)は、セカンドライン治療の内容と強く相関することが示された。TKIのリチャレンジはmTOR阻害薬投与に比べてPFS、TTFが良好な傾向にあった。10月1日までアムステルダムで開催されたEuropean Cancer Congress2013(ECC2013)で、フランスEuropean Hospital Georges PompidouのReza Elaidi氏が発表した。

 転移性腎細胞癌に対する治療において、分子標的薬としてのファーストライン治療でチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)を投与した後のセカンドライン治療として、TKIのリチャレンジかmTOR阻害薬投与か、いずれがよいかはまだ解決していない課題だ。そこで、同グループは、欧州の多施設を対象とした、後ろ向きの検討を行った。

 目的は、TKI後にTKIをリチャレンジしたグループ(TKI-TKI群)とTKI後にmTOR阻害薬を投与したグループ(TKI-mTOR群)の治療失敗までの期間およびPFSを比較検討することとした。淡明細胞癌、ファーストライン治療のTKIで6カ月以上の効果が得られた患者であり、前治療としてサイトカイン療法の受療歴があってもよく、分子標的薬のセカンドライン治療で6カ月以上追跡できた患者を解析対象とした。途中で他の全身療法を受けた患者は除外した。

 解析には241例が登録された。ファーストライン治療としてスニチニブを投与されていたのは202例、ソラフェニブが37例、パゾパニブが2例だった。ファーストライン治療中止理由は、病勢進行が206例、毒性が20例、その他が15例だった。

 セカンドライン治療としてTKIを受けたTKI-TKI群は118例で、セカンドライン治療の内容はスニチニブが32例、ソラフェニブが82例、パゾパニブが1例、アキシチニブが3例だった。一方、セカンドライン治療としてmTOR阻害薬を受けたTKI-mTOR群は123例で、セカンドライン治療の内容はエベロリムス109例、テムシロリムス14例だった。

 ファーストライン治療を開始した時点での患者背景は、TKI-TKI群とTKI-mTOR群の間で大きな差はなかったが、ECOG PSが0だったのがTKI-TKI群で58%だったのに対し、TKI-mTOR群が51%、Hengリスク分類でPoorリスクがTKI-TKI群では19%だったのに対し、TKI-mTOR群は29%だった。セカンドライン治療を開始した時点で、Hengリスク分類におけるPoorリスク例がTKI-TKI群では21%だったのに対し、TKI-mTOR群では37%だった。

 年齢やFurmanグレード、転移巣数、骨転移の有無、最良効果、PS、MSKCCリスク分類、Hengリスク分類などのサブグループ別にPFSを検討した結果、TKI-TKI群の方がTKI-mTOR群に比べて良好な傾向にあったが、いずれも統計学的には有意ではなかった。ただし、PSが0以外のグループではTKI-TKI群で良好な傾向が高かった。

 TKIによるファーストライン治療を受けている期間を12カ月毎に分類した結果、ファーストライン治療受療期間が12〜24カ月だったグループは、TKI-mTOR群に比べてTKI-TKI群の方が有意にPFSが良好だった。

 これらの結果からElaidi氏は、セカンドライン治療におけるPFSや治療成功期間はセカンドライン治療の種類とセカンドライン治療前のPSと強く関係するとともに、TKIリチャレンジによる治療効果を最大に受けるグループはファーストラインのTKI治療期間が12〜24カ月間であるとまとめた。現在、さらに詳細な検討を進めているという。