初発膠芽腫患者に対し、標準治療であるテモゾロミドと放射線療法にベバシズマブを追加することで、無増悪生存期間(PFS)は4.4カ月延長し、それに伴いQOLが維持・改善されるが、全生存期間(OS)の有意な延長は認められなかったことが、多施設共同無作為化オープンラベルのフェーズ3試験(AVAglio)の最終結果で明らかになった。Aix-Marseille UniversityのOlivier Chinot氏らが、9月27日から10月1日までアムステルダムで開催されたEuropean Cancer Congress 2013(ECC2013)で発表した。

 AVAglio試験は、初発の膠芽腫患者921人を対象に、外科手術または生検後に、テモゾロミドと放射線療法の併用に加え、ベバシズマブを投与する群(ベバシズマブ群:458人)とプラセボを投与する群(プラセボ群:463人)を比較した。

 治療は、放射線療法とテモゾロミドに、ベバシズマブもしくはプラセボの併用投与を6週間行い、4週間休薬した後、維持療法としてテモゾロミドとベバシズマブもしくはテモゾロミドとプラセボを6サイクル投与した。さらに単独療法としてベバシズマブもしくはプラセボの投与を、病勢進行もしくは許容できない毒性の出現まで継続した。

 最終解析の結果、プラセボ群のイベント数は346、ベバシズマブ群は333であった。2つの主要評価項目の1つであるOSは、ハザード比0.88(95%信頼区間:0.76-1.02)、p=0.0987で、プラセボ群のOS中央値は16.7カ月、ベバシズマブ群では16.8カ月だった。1年生存率はプラセボ群で66%、ベバシズマブ群は72%(p=0.049)、2年生存率は30%と34%であった(p=0.235)。

 またMGMT遺伝子プロモーター領域のメチル化の状態によって分けると、メチル化した患者におけるOSハザード比は0.93(95%信頼区間:0.65-1.32)、p=0.6787で、プラセボ群のOS中央値は30.3カ月、ベバシズマブ群では27.2カ月だった。一方、メチル化していない患者におけるOSハザード比は0.91(95%信頼区間:0.74-1.11)、p=0.3394で、プラセボ群のOS中央値は14.6カ月、ベバシズマブ群は15.1カ月だった。

 なお後治療として抗癌剤による治療を受けた患者はプラセボ群で64.6%(299人)、ベバシズマブ群で57.4%(263人)で、このうちベバシズマブ投与を受けた患者は48.2%、23.6%であった。

 もう1つの主要評価項目であるPFSは、プラセボ群のイベント数387、ベバシズマブ群354の時点で、ハザード比0.64(95%信頼区間:0.55-0.74)、p<0.0001であり、PFS中央値がプラセボ群6.2カ月、ベバシズマブ群10.6カ月だった。OS最終解析が行われた時点では、プラセボ群のイベント数423、ベバシズマブ群398で、ハザード比0.65(95%信頼区間:0.56-0.75)、p<0.0001、PFS中央値がプラセボ群6.2カ月、ベバシズマブ群10.6カ月であった。

 健康関連QOLも、これまでの解析結果と同様の傾向が得られた。EORTC QLQ-C30と脳腫瘍特異的な指標であるBN20を用いて評価し、質問票のスコアが試験開始から10ポイント以上低下した場合をQOL悪化と定義した。その結果、全般的健康状態におけるQOL悪化までの生存期間(DFS)は、プラセボ群の中央値は3.9カ月、ベバシズマブ群は6.4カ月(ハザード比0.64、p<0.0001)。またQOL悪化までの期間(TTD)の中央値は、プラセボ群5.6カ月、ベバシズマブ群8.5カ月だった(ハザード比0.76、p=0.0041)。

 また無増悪生存期間において、全身状態を示すKPSが70以上の期間中央値は、プラセボ群6カ月、ベバシズマブ群は9カ月。20ポイント以上のKPS低下までの期間の中央値は、プラセボ群5.5カ月、ベバシズマブ群9.0カ月だった(ハザード比0.65、p<0.0001)。

 さらに、治療開始時にステロイド剤を使用していなかった患者が使用するまでの期間中央値は、プラセボ群3.7カ月、ベバシズマブ群12.3カ月(ハザード比0.71、p=0.0018)。一方、治療開始時にステロイド剤を使用していた患者のうち、その後、使用中止した患者はプラセボ群が45%、ベバシズマブ群は61%であった。

 グレード3以上の有害事象は、プラセボ群51.3%、ベバシズマブ群66.8%で、有害事象による治療中止は13.6%、26.5%であった。安全性プロファイルはベバシズマブで報告されている副作用と一致していた。