MGMT遺伝子プロモーター領域がメチル化されていない初発膠芽腫患者に対し、ベバシズマブイリノテカン、放射線療法による治療は、標準治療であるテモゾロミドと放射線療法による治療に比べ、無増悪生存期間(PFS)を有意に改善することが、ドイツの無作為化フェーズ2試験GLARIUSで明らかになった。ドイツUniversitaets Klinikum BonnのUlrich Herrlinger氏らが、9月27日から10月1日までアムステルダムで開催されているEuropean Cancer Congress 2013(ECC2013)で発表した。

 MGMT遺伝子プロモーター領域がメチル化されていない膠芽腫患者において、ファーストライン治療として、テモゾロミドの効果は限定的であることが知られている。MGMT非メチル化患者は初発膠芽腫患者全体の55-65%を占める。

 そこでGLARIUS 試験は、MGMT非メチル化患者を、放射線療法とベバシズマブ、イリノテカンによる治療群(ベバシズマブ+イリノテカン群)と放射線療法とテモゾロミドによる治療群(テモゾロミド群)に、2:1の割合で分けた。

 ベバシズマブ+イリノテカン群では、放射線療法(2Gy×5日/週、6週間)の間に、ベバシズマブ10mg/kgを2週置きに投与した。その後、維持療法としてベバシズマブ10mg/kgを2週置きに、イリノテカンは125mg/m2を2週置きに、EIAED(酵素誘導性抗てんかん薬)を投与している患者ではイリノテカン340mg/m2を投与した。

 テモゾロミド群では、放射線療法を行っている間、連日テモゾロミドを75mg/m2投与し、その後、テモゾロミド150-200mg/m2/日を5日間、4週置きに、6サイクル投与した。

 主要評価項目は無作為化後6カ月時点のPFS率とし、6カ月PFS率はMRI画像で神経放射線医師による中央判定で評価した。

 ITT解析の対象は170人、ベバシズマブ+イリノテカン群は116人、テモゾロミド群は54人。全患者の年齢中央値は56歳。男性が67.1%を占め、根治的切除を行った患者が48.8%、KPS(Karnofsky Performance Status)90%以上の患者が78.8%であった。

 この結果、6カ月PFS率は、ベバシズマブ+イリノテカン群77.9%(95%信頼区間:68.8-84.4%)、テモゾロミド群41.3%(同:27.7-54.4%)、ログランク検定p<0.0001で、有意にベバシズマブ+イリノテカン群で高かった。

 副次評価項目であるPFSの中央値は、ベバシズマブ+イリノテカン群9.7カ月、テモゾロミド群5.9カ月、ハザード比0.56(95%信頼区間:0.40-0.79)、p=0.0004だった。またステロイド剤の使用日数も、ベバシズマブ+イリノテカン群のほうが少なかった(p=0.04)。

 テモゾロミド群54人のうち、51人がPDもしくは死亡し、63%(51人中32人)がベバシズマブとイリノテカン投与にクロスオーバーした。

 preliminaryな全生存期間の解析で、中央値はベバシズマブ+イリノテカン群16.6カ月、テモゾロミド群14.8カ月、ハザード比0.60(95%信頼区間:0.37-0.96)、p=0.031だった。

 有害事象は、ベバシズマブ+イリノテカン群では血管イベントの頻度が高く、テモゾロミド群では血液毒性が多い傾向が見られた。グレード3/4の血管障害(全体)がベバシズマブ+イリノテカン群14.3%、テモゾロミド群3.6%であり、ベバシズマブ+イリノテカン群では深部静脈血栓症2.5%、肺塞栓症3.4%、高血圧8.4%だった。

 以上の結果から、「初発MGMT非メチル化膠芽腫患者において、ベバシズマブとイリノテカンは有効で忍容性が高く、標準治療であるテモゾロミドよりも優れている」とした。