未治療の転移性腎細胞癌患者に対するインターフェロンα(IFN-α)+ソラフェニブ併用投与は有効で、安全に投与できる可能性が報告された。国内多施設共同フェーズ2試験の結果によるもので、9月27日からアムステルダムで開催されているEuropean Cancer Congress 2013(ECC2013)で、日本腎細胞癌治験共同グループ(JRTCG)を代表し、熊本大学泌尿器科学分野の江藤正俊氏が発表した。

 転移性腎細胞癌患者に対する薬物治療としてチロシンキナーゼ阻害薬、mTOR阻害薬などが登場し、その治療効果が注目されているが、さらに抗腫瘍効果を高めるための研究が必要と考えられるようになっている。

 今回江藤氏らは、未治療の転移性腎細胞癌患者に対し、ソラフェニブ+IFN-αを併用投与した際の安全性、有効性を検討した国内多施設共同フェーズ2試験について報告した。

 対象としたのは、20歳以上、ECOG PS 0-1、腎摘除術を施行した、薬物治療歴のない淡明細胞癌患者。腎摘除術後にIFN-αによる術後補助化学療法を実施した患者のうち、IFN-αの投与期間が6カ月以上でなければ登録可能とした。

 主要評価項目は客観的奏効率(ORR)、副次評価項目は病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性。

 治療は、まずIFN-α(3 MIU)を週3回、2週間投与する。その後にIFN-αとともにソラフェニブを1日2回併用投与した。病勢進行もしくは許容できない毒性の発現、死亡まで投与を継続するものとした。

 2009年12月〜2012年7月までに53人を登録し、51人がIFN-α+ソラフェニブ併用投与を実施。評価可能だった42人について解析した。治療を中止したのは40人で、有害事象によるものが18例、病勢進行が15例、死亡が2例だった。

 患者背景は、年齢中央値64.5歳、男性割合が83.3%、PS 0が88.1%だった。
 
 主要評価項目のORRは26.2%(95%信頼区間:12.9-39.5%)だった。完全奏効(CR)は1人、部分奏効(PR)は10人、病勢安定(SD)は22人、病勢進行(PD)は6人で、ORRは26.2%、DCRは78.5%だった。

 グレード3以上の主な有害事象は、手足症候群、発疹がそれぞれ21.4%、倦怠感、高血圧がそれぞれ14.3%、食欲不振、白血球減少症がそれぞれ11.9%だった。IFN-αとソラフェニブを併用したことによる新たな有害事象は発現しなかった。

 これらの結果から江藤氏は、「日本人の転移性腎細胞患者に対し、IFN-α+ソラフェニブの併用投与は有効で、忍容性があることが示された。OSとPFSについては今後行われる学会で発表する予定だ」と語った。