肝限局転移を有する切除不能な大腸癌患者を対象とした国際的なフェーズ2であるOLIVIA試験の最新知見が発表され、mFOLFOX6+ベバシズマブを投与した患者と比べて、FOLFOXIRI+ベバシズマブを投与した患者では、切除率、奏効率、無増悪生存期間(PFS)が改善し、術後合併症の発生率も認容可能な範囲であることが示された。9月27日から10月1日までアムステルダムで開催されているEuropean Cancer congress(ECC2013)で、英国University College London Cancer InstituteのJohn Bridgewater氏が発表した。

 OLIVIA試験では、肝限局転移を有する切除不能な大腸癌患者を、mFOLFOX6+ベバシズマブを投与する群(mFOLFOX6+Bev群)またはFOLFOXIRI+ベバシズマブを投与する群(FOLFOXIRI+Bev群)にランダムに割り付け、切除率と安全性を比較した。

 切除不能の定義は、肝転移のR0/R1切除先行が不可能、推定される切除後の残肝容量が30%未満、転移が残肝の主要血管と接触している――のうち、1つ以上該当する場合とした。切除可能と考えられた患者には、ベバシズマブの最終投与の5-7週後、化学療法の最終サイクルの約1カ月後に手術を行った。主要評価項目は全切除率(R0/R1/R2)だった。

 2008年10月から2011年12月までに80人がランダム化され、mFOLFOX6+Bev群39人、FOLFOXIRI+Bev群41人となった。mFOLFOX+Bev群とFOLFOXIRI+Bev群において、年齢中央値はそれぞれ57歳と63歳、転移を有する患者は82%と73%、局所進行を認める患者は18%と27%だった。切除不能の基準では、肝転移のR0/R1切除先行が不可能な患者が両群ともに80%、残肝容量が30%未満の患者がそれぞれ59%と63%、転移が残肝の主要血管と接触していた患者は44%と37%だった。

 手術が行われた患者はmFOLFOX群19人、FOLFOXIRI+Bev群25人だった。行われた手術では、葉切除±ラジオ波焼灼療法(RFA)が最も多く、mFOLFOX6+Bev群11人、FOLFOXIRI+Bev群12人、次いで区域切除の6人と10人だった。切除までの期間の中央値はmFOLFOX6+Bev群4.4カ月、FOLFOXIRI+Bev群4.3カ月、在院日数の中央値はそれぞれ9日と11日だった。

 全切除率は、mFOLFOX+Bev群48.7%(95%信頼区間:32.4-65.2)、FOLFOXIRI+Bev群61.0%(同:44.5-75.8)となり、FOLFOXIRI+Bev群で高い傾向がみられた(p=0.271)。特にR0切除率は、mFOLFOX+Bev群23.1%(95%信頼区間:11.1-39.3)、FOLFOXIRI+Bev群48.8%(同:32.9-64.9)となり、FOLFOXIRI+Bev群で有意に上昇した(p=0.017)。奏効率は、mFOLFOX+Bev群61.5%(95%信頼区間:44.6-76.6)、FOLFOXIRI+Bev群80.5%(同:65.1-91.2)で、FOLFOXIRI群で良好な傾向を認めた(p=0.061)。

 無増悪生存期間(PFS)中央値は、mFOLFOX+Bev群12.0カ月(95%信頼区間:9.5-14.1)、FOLFOXIRI+Bev群18.8カ月(同:12.4-21.0)となり、FOLFOXIRI+Bev群で有意に延長した(ハザード比0.40[同:0.23-0.70]、p=0.0012)。R0/R1切除を行った患者のPFS中央値は、mFOLFOX+Bev群13.6カ月(95%信頼区間:9.8-15.9)、FOLFOXIRI+Bev群21.0カ月(同:16.0-31.8)。

 グレード3以上の有害事象は、mFOLFOX+Bev群83.8%、FOLFOXIRI+Bev群95%に発現した。有害事象によるベバシズマブの中止は、mFOLFOXプラスBev群32.4%、FOLFOXIRI+Bev群20%だった。有害事象による死亡はそれぞれ5.4%と2.5%だった。グレード3以上の有害事象では、好中球減少(mFOLFOX+Bev群35.1%、FOLFOXIRI+Bev群47.5%)、発熱性好中球減少(それぞれ8.1%と12.5%)、下痢(13.5%と27.5%)などが多く観察された。

 術後合併症として、Clavien-Dindo分類のGrade3(外科的治療や内視鏡治療などを要する)がmFOLFOX6+Bex群26.3%、FOLFOXIRI+Bev群32%、Grade4(IC/ICU管理を要する、生命を脅かす合併症)がそれぞれ5.3%と12%、Grade5(死亡)が10.5%と0%に認められた。

 Bridgewater氏は、「FOLFOXIRI+ベバシズマブによる新たな安全性の問題は認めず、術後合併症の発生率も認可能な範囲だった。肝限局転移を有する切除不能な大腸癌患者における本治療のメリットをさらに検討すべき」と結んだ。