1次化学療法を施行した大腸癌肝転移患者では、形態学的規準による抗腫瘍効果(CT画像評価)と無増悪生存期間(PFS)には有意な関連性が認められ、ベバシズマブ併用例では非併用例に比べてoptimal response(最良奏効)が高かった。9月27日からアムステルダムで開催されているEuropean Cancer Congress2013(ECC2013)で、富山大学消化器内科・血液内科・腫瘍内科の細川歩氏らが発表した。

 細川氏らは、化学療法を受けた大腸癌患者における肝転移巣の縮小だけでなく、形態学的規準による抗腫瘍効果という質的な変化が予後の改善につながると考え、ファーストライン治療として化学療法±ベバシズマブを受けた患者の治療前後で、肝転移巣の造影CT画像評価を比較した。

 画像評価は3人の読影医がブラインドで行った。造影CT画像の評価は既報(Chun YS et al. JAMA 2009;302:2338-44)に従っており、造影効果の減弱、画像上の腫瘍と肝臓の境界などを基にした分類を用いるもので、形態学的基準と残存腫瘍量は関連することが示されている。血流の低下が認められ、境界が明瞭な「最良奏効」(optimal response)と前後で変化が認められず境界も曖昧な「無奏効」(no response)、そのどちらでもない「不完全奏効」(imcomplete)の3段階に分類する。RECISTによる評価は腫瘍の大きさを基準としているが、今回グループが用いた造影CT評価は腫瘍の質的な変化を評価するものとなる。
 
 対象は、2006年4月から2012年6月に富山大学附属病院など計2施設を受診した、肝転移のある大腸癌患者41例。

 対象患者41例のうち、ベバシズマブ併用例は23例、非併用例は18例であった。

 RECIST規準による抗腫瘍効果である奏効率は51.2%(95%信頼区間:35.9-66.5)で、ベバシズマブ併用群では47.8%、ベバシズマブ非併用群では55.6%だった。

 形態学的規準による抗腫瘍効果であるoptimal responseは39.0%、ベバシズマブ併用群では47.8%で、ベバシズマブ非併用群の27.8%に比べて高い傾向にあった。

 RECIST規準による奏効群のPFS中央値は11.1カ月で、非奏効群の7.1カ月に比べて有意に延長した(p=0.021)。

 形態学的規準によるoptimal response群のPFS中央値は13.3カ月で、imcomplete/no response群の8.7カ月に比べて有意に延長した(p=0.0026)。

 多変量解析により、PFSの独立予後予測因子としてECOG PS(p=0.030)および形態学的抗腫瘍効果(p=0.0086)が同定された。

 これらの結果から細川氏らは、フッ化ピリミジンベースの化学療法を受けた肝転移のある大腸癌における治療前後の造影CTでの腫瘍画像の質的な変化はPFSと有意に相関し、またベバシズマブの併用例では非併用例より質的な変化が高い傾向にあることを示した。