選択的ALK阻害剤alectinib(RO5424802/CH5424802)は、クリゾチニブ難治性のALK陽性非小細胞肺癌(NSCLC)に対して有用である可能性が明らかとなった。フェーズ1用量増多試験AF-002JGの結果、示されたもの。9月27日から10月1日までオランダアムステルダムで開催されているEuropean Cancer Congress 2013(ECC2013)で、米Chao Family Comprehensive Cancer CenterのS.Ou氏によって発表された。

 alectinibのフェーズ1用量増多試験は、クリゾチニブ難治性のALK陽性NSCLCを対象に行われた。主要目的はフェーズ2の推奨用量の決定。副次目的は効果、安全性、薬物動態の評価だった。適格基準は、米国医薬品食品局(FDA)が承認した検査によりALK遺伝子の再構成が確認された、臓器機能が適切などだった。無症候性の中枢系の転移(軟膜がん腫症を含む)を有する患者はステロイド投与なしで少なくとも2週間安定の場合は試験に参加できることとした。

 alectinibは1日2回、増悪するまで投与された。投与量は20mg/40mgカプセルを用いた用量増多コホートで300mg投与群、460mg投与群、600mg投与群、760mg投与群、900mg投与群に分けられた。150mgカプセルを用いたブリッジングコホートで1日2回600mg投与群、900mg投与群が設定された。21日間を1サイクルとした。

 2012年5月から2013年7月までに米国内で47人の患者が登録された。用量増多コホートは300mg投与群が7人、460mg投与群が7人、600mg投与群が6人、760mg投与群が7人、900mg投与群が7人だった。ブリッジングコホートは600mg投与群が7人、900mg投与群が6人だった。2013年9月12日のデータカットオフ時点で47人が有効性と毒性の評価が可能だった。

 47人の患者背景は年齢中央値が56.7歳(40-83)、白色人種が33人、アジア系(日本人は含まず)が8人、その他が6人だった。男性が27人、非喫煙者が36人だった。

 多く認められた副作用(全グレード)は倦怠感14人(30%)、筋肉痛8人(17%)、末梢浮腫8人(17%)、CPK上昇7人(15%)、吐き気7人(15%)などだった。グレード3/4の副作用で2人に認められたのはγ-GT上昇と好中球減少だけだった。

 1日2回900mg群(ブリッジングコホート)で2件の用量制限毒性(グレード3の頭痛と、7日間投与中断を要したグレード3の好中球減少症)が認められた。900mg群(ブリッジングコホート)と760mg群(用量増多コホート)で減量例があり、600mg群(用量増多コホート)と460mg群(用量増多コホート)で投与中断があった。これらの結果と薬物動態の解析から、フェーズ2の推奨用量は1日2回600mgとなった。

 予備的な効果の解析が、全群を通じて行われた。44人中24人で効果が認められ、奏効率は54.5%だった。完全奏効が1人、確認部分奏効が16人、未確認部分奏効が7人だった。

 47人のうち21人が登録時に脳転移を有していた。脳照射を受けていない患者は4人だけで、登録の4週間以内に受けていたのは2人、4週間超前に受けていたのは15人だった。300mg群に2人、460mg群に2人、600mg群に6人、760mg群に3人、900mg群に8人が登録されていた。21人の全身の効果は13人が部分奏効、6人が病勢安定だった。

 現在クリゾチニブ抵抗性のALK陽性NSCLCを対象に、alectinibの世界規模の単アームフェーズ2試験が行われている。