II/III期の乳癌患者を対象として、標準的な術後補助療法へのゾレドロン酸の上乗せ効果を検討したフェーズ3のAZURE(BIG 01/04)試験の最終解析から、ゾレドロン酸は骨転移を減らし、閉経後5年を超えた患者の無再発生存期間(DFS)と浸潤性疾患のない生存期間(IDFS)を改善することが示された。9月27日から10月1日までアムステルダムで開催されているEuropean Cancer Congress 2013(ECC2013)で、英国Weston Park HospitalのR. Coleman氏が発表した。

 AZURE試験では、II/III期の乳癌患者を対象として、標準的な術後補助療法を行う群(対照群)、または標準的な術後補助療法にゾレドロン酸を追加する群(ゾレドロン酸群)にランダムに割り付けた。ゾレドロン酸は4mgを3-4週毎に6回投与し、その後は3カ月毎に8回、さらに6カ月毎に5回投与し、5年間で治療を完了した。主要評価項目はDFSだった。

 3360人が登録され、ゾレドロン酸群1681人、対照群1678人となった。両群の患者背景はバランスがとれており、リンパ節転移が4個以上の患者はゾレドロン酸群35.9%、対照群36.2%、エストロゲン受容体(ER)陽性の患者はそれぞれ78.5%と78.4%だった。閉経前、閉経後5年以内、閉経後5年を超えた患者は、ゾレドロン酸群ではそれぞれ44.7%、14.7%、30.9%、対照群では44.9%、14.5%、31.1%だった。

 中間解析では転帰に対する影響は示されなかったが、サブグループ解析で閉経後5年を超えた女性で有用性が報告された。今回Coleman氏らは、追跡期間中央値84カ月、966のDFSのイベントを認めた時点での最終的な有効性解析の結果を報告した。

 初回のIDFSのイベントは、ゾレドロン酸群で512、対照群で537が発現した。遠隔転移が最も多く、ゾレドロン酸群の63.7%、対照群の64.8%に発現した。遠隔転移に占める骨転移の割合はそれぞれ46%と54.3%だった。

 ITT解析では、DFS(ハザード比0.94[95%信頼区間:0.82-1.06]、p=0.298)とIDFS(ハザード比0.93[95%信頼区間:0.82-1.05]、p=0.222)に、ゾレドロン酸群と対照群で有意差を認めなかった。

 サブグループ解析では中間解析に続き、閉経の状態による多様性が示された。閉経前、閉経後5年以内、不明の患者(2318人)のIDFSのハザード比は1.03(95%信頼区間:0.89-1.20)だったのに対し、閉経後5年を超えた患者(1041人)のIDFSのハザード比は0.77(95%信頼区間:0.63-0.96)となり、閉経後5年を超えた患者で有意に改善した(χ2=4.71、p=0.030)

 またER陰性では、閉経前、閉経後5年以内、不明の患者はIDFSのハザード比が1.159(95%信頼区間:0.878-1.531)で対照群で良好だったのに対し、閉経後5年を超えた患者のハザード比は0.687(95%信頼区間:0.474-0.996)で、ゾレドロン酸群で良好だった。

 無骨転移生存期間(BMFS)は、初回再発としての骨転移(ハザード比0.78[95%信頼区間:0.63-0.96]、p=0.020)、すべての時点の骨転移(同0.81[同:0.68-0.97]、p=0.022)のいずれもゾレドロン酸群で改善した。

 初回のIDFSのイベントとしての骨転移をみると、閉経の状態でハザード比に差はなかったが、骨外転移では閉経前の女性でハザード比が高かった。

 ITT解析対象におけるOSのハザード比は0.93(95%信頼区間:0.81-1.08)で、両群間に差はなかった(p=0.368)。閉経前、閉経後5年以内、不明の患者と閉経後5年以上の患者に有意差はなかった。

 Coleman氏は「蓄積されたエビデンスにより、生殖ホルモンが閉経後のレベルにある女性では、術後補助療法としてビスホスホネートを用いるメリットが示された」と話した。