既治療の進行胃癌にTAS-102の単独療法が有用である可能性が明らかとなった。国内で行われた医師主導フェーズ2試験で有望な疾患制御率が得られ、忍容性も確認されたもの。成果は9月27日から10月1日までオランダアムステルダムで開催されているEuropean Cancer Congress 2013(ECC2013)で、愛知県がんセンターの室圭氏によって発表された。

 TAS-102は、トリフルオロチミジン(FTD:α,α,α-trifluorothymidine)とチミジンホスホリラーゼ阻害作用をもつTPI(5-chloro-6-(2-iminopyrrolidin-1-yl)methyl-2,4(1H,3H)-pyrimidinedione hydrochloride)を配合することで、FTDの有効血中濃度を維持することに成功したフルオロチミジン系の経口抗癌剤。

 実施された多施設フェーズ2試験は、1または2レジメン既治療の進行胃癌患者を対象に、TAS-102の用法・用量を大腸癌に対して行われた試験と同じにして行われた。全患者がフルオロチミジン系抗癌剤と白金系抗癌剤の投与歴を持ち、タキサン系抗癌剤かイリノテカンの投与歴も持っていた。TAS-102は1日2回35mg/m2を28日を1サイクルとして投与された。5日投与し2日休薬を2週間行い、14日間休薬した。試験の主要評価項目は8週間時点の疾患制御率(完全奏効、部分奏効、病勢安定)で、副次評価項目は、奏効率、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性、薬物動態だった。

 全部で29人が解析可能だった。年齢中央値は64歳。PS 0が20人、PS 1が9人だった。1人の患者で部分奏効が得られ、18人が病勢安定となった。疾患制御率は65.5%(95%信頼区間:45.7-82.1)、奏効率は3.5%(95%信頼区間:0.09-17.8)だった。腫瘍の縮小は29人中12人(41.4%)で認められた。PFS中央値は2.9カ月(95%信頼区間:1.1-4.4)、観察期間中央値10.7カ月でOS中央値は8.7カ月(95%信頼区間:5.7-14.9)だった。

 多く見られたグレード3または4の副作用は好中球減少症、白血球減少症、貧血、食欲不振で、大腸癌の試験で認められたものと同様だった。発熱性好中球減少症は1件のみで、治療関連死はなかった。