未治療の非扁平上皮型非小細胞肺癌(N-Sq NSCLC)に対するシスプラチンドセタキセルベバシズマブ併用による導入療法とベバシズマブによる維持療法は高い効果が得られる可能性が示された。フェーズ2試験であるTORG1016試験の結果から明らかになったもので、9月27日からアムステルダムで開催中のEuropean Cancer Congress2013(ECC2013)で、がん・感染症センター都立駒込病院呼吸器内科の中原善朗氏が発表した。

 N-Sq NSCLCに対するベバシズマブはプラチナ併用療法の効果をより高め、特にタキサンを含む併用療法への追加が有効であると考えられている。一方、NSCLCに対するファーストライン治療において、ドセタキセルはシスプラチンと組み合わせる薬剤として有効なタキサンであることが知られており、血管新生阻害薬との相乗効果もあると考えられている。

 そこで同グループは、未治療N-Sq NSCLC患者におけるシスプラチン+ドセタキセル+ベバシズマブの有効性を検討するため、TORG1016試験を行った。

 治療は、導入療法としてドセタキセル(60mg/m2)+シスプラチン(80mg/m2)+ベバシズマブ(15mg/kg)を3週毎に4サイクル投与し、維持療法としてベバシズマブ単剤を3週毎に病勢進行もしくは許容できない毒性が認められるまで投与した。主要評価項目は奏効率で、副次評価項目として安全性、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を設定した。

 対象は、未治療の進行または再発N-Sq NSCLC患者で、脳転移例は除外した。その結果、2010年10月から2012年4月までに47例が登録された。

 患者背景は、年齢中央値は61歳(範囲39-73)、男性28例、ステージIIIB/IV/再発がそれぞれ5例/39例/3例、ECOG PS 0/1がそれぞれ31例/16例。全例が腺癌で、EGFR遺伝子変異について陽性/陰性/不明がそれぞれ13例/31例/3例だった。

 導入療法を4サイクル受けられたのは44例(94%)で、全治療サイクル数中央値は9サイクル(範囲1-21)だった。シスプラチンを減量した症例は28%、ドセタキセルを減量した症例は26%だった。維持療法に移行できたのは47例中41例だった。

 追跡の結果、47例中、部分奏効(PR)が得られたのは35例(75%)。病勢安定(SD)が得られたのは11例(23%)で、奏効率は74.5%、病勢コントロール率は97.9%だった。

 追跡期間中央値18カ月において、PFS中央値は9.0カ月(95%信頼区間:7.0-11.3)、1年PFS率は25%だった。OS中央値はまだ到達しておらず、1年生存率は89%だった。

 グレード3/4の有害事象は、白血球減少が60%、好中球減少が96%、高血圧47%、吐き気13%、発熱性好中球減少が9%に認められた。

 維持療法期間中の患者選択による治療中止は2例だけだった。

 中原氏らは、シスプラチン+ドセタキセル+ベバシズマブ併用療法は効果が期待できる一方で、末梢神経障害などQOLを低下させる有害事象は少ないことから、治療選択肢の1つとして有望であると考えられると語った。