標準治療を施行後に進行した転移を有する大腸癌(mCRC)患者を対象としたフェーズ3のCORRECT試験では、レゴラフェニブの有効性とともに有害事象が多いことが報告された。しかし、同試験のQOLの解析から、レゴラフェニブを投与した患者とプラセボを投与した患者のQOLに経時的に明らかな差はないことがわかった。9月27日から10月1日までアムステルダムで開催されているEuropean Cancer congress 2013(ECC2013)で、イタリアOspedale Nigurarda Ca’GrandaのSalvatore Siena氏が発表した。

 CORRECT試験では、標準治療を施行後に進行したmCRC患者を、レゴラフェニブ(160mg/日)の投与と支持療法(BSC)を行う群(レゴラフェニブ群)と、プラセボの投与とBSCを行う群(プラセボ群)に2:1にランダムに割り付けた。同試験では、有害事象の管理のための減量または中止は可とされた。レゴラフェニブ群は505人、プラセボ群は255人となった。

 主要評価項目である全生存期間(OS)は、プラセボ群と比べてレゴラフェニブ群で有意に改善し(ハザード比0.774[95%信頼区間:0.636-0.942]、p=0.005)、無増悪生存期間(PFS)も改善した(ハザード比:0.494[同:0.419-0.582]、p<0.001)。レゴラフェニブ群で頻度が高かった有害事象は、疲労感(47%)、手足皮膚反応(47%)、下痢(34%)、高血圧(28%)、発疹/落屑(26%)だった。

 有害事象は患者のQOLを低下させることから、Siena氏らは、CORRECT試験の対象について、QOLに対するレゴラフェニブの有効性と忍容性の影響を検討した。

 QOLの評価は1-3サイクル目の1日目に行い、その後は2サイクル毎に1日目に行った。評価には、癌特異的QOL尺度であるEORTC QLQ-C30と健康関連QOLを評価するために開発された包括的な尺度であるEQ-5Dを用いた。最小2乗法(LS mean)で解析したtime-adjusted AUCを用いて、EORTC QLQ-C30の全般的健康(global health status)、EQ-5Dの健康効用指標(Health utility index)と視覚評価法(VAS)を評価した。臨床的に意義があると考えられるとしたベースラインからの変化は、EORTC QLQ-C30のドメインスコアが10以上、EQ-5Dの健康効用指標のスコアが0.08以上、VASスコアが7以上の場合とした。

 EORTC QLQ-C30の全般的健康について、プラセボと比べてレゴラフェニブのtime-adjusted AUCは−1.19(95%信頼区間:−3.13-0.75)となった。レゴラフェニブ群とプラセボ群に臨床的に意義があると考えられる差はなかった。

 EQ-5Dの健康効用指標については、プラセボと比べてレゴラフェニブのtime-adjusted AUCは0.00(95%信頼区間:−0.03-0.03)、VASのtime-adjusted AUCは−1.21(同:−3.04-0.61)となった。EQ-5Dの健康効用指標とVASのtime-adjusted AUCのいずれも、レゴラフェニブ群とプラセボ群で差はなかった。

 記述的解析では、EORTC QLQ-C30の全般的健康には両群で経時的な差はないことが示された。症状ドメインでは、レゴラフェニブ群で頻度が高かった疲労感は両群で差がなかった。

 EORTC QLQ-C30の少数のドメインでは、1-2サイクルのみで両群に差がみられたものもあった。機能ドメインでは、8サイクル目の役割機能と4サイクル目の社会機能、症状ドメインでは、3・4サイクル目の下痢と2サイクル目の食欲低下だった。ただし、患者数は少なく、特に治療サイクルが進むほど少数となり、解釈は限定される。EQ-5Dの健康効用指標のスコアとVASスコアには、両群でベースラインからの変化はみられなかった。