転移性腎細胞癌患者において、分子標的薬などによる治療開始後の腫瘍縮小率は、全生存期間(OS)の予測因子であることが示された。治療開始から60%以上腫瘍が縮小するとOS中央値は4.5年だった。8つの臨床試験を統合した2700人を超える対象者の解析結果から示された。9月27日からアムステルダムで開催されているEuropean Cancer Congress2013(ECC2013)で、ドイツHannover Medical SchoolのV. Grunwald氏が発表した。

 最近、転移性腎細胞癌に対する分子標的薬治療により得られる早期の腫瘍縮小が無増悪生存期間(PFS)やOSと相関することが報告された。そこで、Grunwald氏らは、より多くの患者を対象に検討するため、2003年から2011年に米Pfizer社が支援した8つの臨床試験を対象に統合解析を行った。フェーズ2試験が5つ(NCT00054886、NCT00077974、NCT00267748、NCT00338884、NCT00137423)、フェーズ3試験が3つ(NCT00083889、NCT00065468、NCT00678392)だった。

 試験期間中に最も腫瘍が縮小した段階で登録時と比較し、腫瘍縮小率とした。

 解析対象となったのは2749例で、うち男性は71%、年齢中央値は60歳だった。

 2749例を腫瘍縮小率で分類したところ、腫瘍が60〜100%縮小したのは283例(10%)、30〜60%縮小したのは547例(20%)、0〜30%縮小したのは1155例(42%)、0〜20%増大したのは390例(14%)、腫瘍が20%以上増大したのは156例(6%)だった。治療開始後のCT評価が得られなかったのが218例(8%)で、その理由は病勢進行が35%、有害事象が28%、死亡が20%などだった。

 この腫瘍縮小率別のグループ間で患者背景は同等だった。

 腫瘍縮小率別にOSを検討した結果、腫瘍縮小率が−30%〜0%だったグループのOS中央値は16.56カ月だった。これに対し、−100%〜−60%だったグループのOS中央値は54.53カ月と良好で、次いで−60%〜−30%だったグループは26.38カ月だった。一方、腫瘍が0〜20%増大したグループのOS中央値は10.36カ月、20%以上増大したグループのOS中央値は7.33カ月だった。CT評価が得られなかったグループのOS中央値は1.97カ月だった。

 Cox比例ハザード解析を行った結果、腫瘍が0〜30%縮小したグループと比較した場合、60〜100%縮小したグループのハザード比は0.267(p<0.0001)、30〜60%縮小したグループのハザード比は0.697(p<0.0001)、0〜20%増大したグループのハザード比は1.618(p<0.0001)、20%以上増大したグループのハザード比は1.918(p<0.0001)と、腫瘍縮小率はOSの有意な予測因子だった。

 一方、登録時の他臓器への転移の状態と腫瘍縮小率の違いには相関関係は認められなかった。また、治療内容としてチロシンキナーゼ阻害薬(n=1773)、mTOR阻害薬(n=416)、インターフェロン-α(n=560)のそれぞれで腫瘍縮小率別にOSを検討したが、いずれの治療内容でも同様な傾向が認められた。さらにファーストライン治療、セカンドライン治療のいずれの場合でも同様な傾向だった。

 これらの結果を受け、Grunwald氏は、転移性腎細胞癌患者に対する治療として最大の腫瘍縮小を得ることは、治療目標として重要と語った。