初発卵巣癌に対し、標準的な化学療法にベバシズマブを追加し、その後、ベバシズマブによる維持療法を行うことで、全患者における生存改善は見られないが、再発リスクの高い患者では全生存期間(OS)中央値で9.4カ月の延長が示された。多施設共同フェーズ3試験(ICON7)のOS最終解析で明らかになった。カナダUniversity of TorontoのA.M.Oza氏らが、9月27日から10月1日までアムステルダムで開催されているEuropean Cancer Congress 2013(ECC2013)で発表した。

 ICON7試験は、前治療のない上皮性卵巣癌、原発性腹膜癌、卵管癌患者1528人を対象に、カルボプラチンとパクリタキセルによるCP療法を行う群(CP療法群)と、CP療法にベバシズマブを追加し、さらにベバシズマブによる維持療法を行う群(CP療法+ベバシズマブ群)を比較した。

 CP療法群では、カルボプラチンAUC 5またはAUC 6、パクリタキセル175mg/m2を3週毎に投与した。ベバシズマブ群には、さらにベバシズマブ7.5mg/kgの3週毎の投与を計18サイクル行った。
 
 これまでにフォローアップ期間中央値19カ月、28カ月の時点で解析が行われており、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は、CP療法+ベバシズマブ群で有意に延長することが示されている。一方、副次的評価項目のOSは有意差が認められていない。
 
 今回のアップデート解析の結果、フォローアップ期間中央値49カ月において、CP療法群のPFSイベント数は526(69%)、CP療法+ベバシズマブ群が554(73%)であり、PFS中央値がCP療法群17.5カ月、CP療法+ベバシズマブ群19.9カ月、ハザード比は0.93(95%信頼区間:0.83-1.05、p=0.25)となった。
 
 またOSの最終解析の結果、CP療法群のイベント数は352、CP療法+ベバシズマブ群が362であり、OS中央値がCP療法群58.6カ月、CP療法+ベバシズマブ群58.0カ月、ハザード比は0.99(95%信頼区間:0.85-1.14、p=0.85)であった。

 次に、再発リスクの高いStage III期 とIV期の患者(502人)に限って解析を行った。対象は、Stage III期のうち腫瘍減量手術が行われなかった患者と手術により残存腫瘍径が1cmを超える患者(suboptimal)、Stage IV期の患者、および腫瘍減量手術が行われなかった患者とした。
 
 この結果、高リスク群でのPFS中央値はCP療法群10.5カ月、CP療法+ベバシズマブ群16.0カ月、ハザード比は0.73(95%信頼区間:0.61-0.88、p=0.001)となった。OS中央値はCP療法群30.3カ月、CP療法+ベバシズマブ群39.7カ月、ハザード比は0.78(95%信頼区間:0.63-0.97、p=0.03)だった。
 
 ベバシズマブ投与によりOS中央値は9.4カ月、平均値では4.8カ月延長したことから、「高リスク患者群におけるOSの違いは臨床的に意義がある」とした。