ソマトスタチン・アナログ(SSA)であるランレオチドを胃腸膵管系神経内分泌腫瘍(GEP-NET)患者に適用した二重盲検の無作為化試験CLARINETで、ランレオチドの腫瘍増殖抑制効果が示された。仏Beaujon病院のPhillippe Ruszniewski氏がECC2013で9月28日に報告した。

 SSAについては、さまざまな実験腫瘍に対する直接的、間接的増殖阻害効果が示されている。また、オープンラベルの研究ではSSAによる病勢安定化が報告されている。無作為化試験は1件しか行われていないが、中腸原発の転移性NET患者にSSAを投与すると無増悪生存期間(PFS)が延長すると報告していた。

 Ruszniewski氏らは、SSAであるランレオチド・オートゲル(徐放性ランレオチド)の増殖抑制作用を前向きに検討する初めての大規模多施設フェーズ3試験CLARINETを実施した。

 対象は、ホルモン症状がない膵臓と胃腸の非機能性NETの患者で、転移性で/または局所進行性の手術不能な腫瘍を持ち、Ki67指数が10%未満で中-高分化型と判断され、ソマトスタチン受容体シンチグラフィーによりKrenningスケールがグレード2以上だった、18歳以上の204人。過去6カ月間に、インターフェロン、化学塞栓療法、化学療法を適用されておらず、SSA投与歴がないことを条件とした。

 101人(平均年齢63歳、男性が52%)をランレオチド・オートゲル120mg、103人(62歳、52%)を偽薬に割り付けて28日間隔で皮下注射した。投与期間は96週間または進行が見られるまで、もしくは死亡までとした。

 主要転帰評価指標は、投与期間中のPFSに設定、RECIST基準を用いて進行の有無を判断した。2次評価指標は、48週と96週の時点で進行がなかった患者の割合、全生存期間、安全性などに設定されていた。intention-to-treat分析を行った。

 ベースラインで、膵臓原発だった患者が45%、中腸原発は36%、後腸原発が7%、原発部位不明が13%だった。割り付け前に12-24週間隔で2回行われたCT検査では、96%の患者が病勢安定と判断された。8割を超える患者が治療歴を持っていなかった。Ki67指数が3-10%(WHO分類でグレード2)だった患者は介入群の32%と対照群の28%、0-2%(グレード1)はそれぞれ68%と70%だった。33%の患者で腫瘍細胞が肝臓の25%超を占めていた。

 96週のランレオチド投与はPFSを有意に延長した。ランレオチド群ではPFSの中央値はいまだ得られておらず、偽薬群では18カ月だった。ハザード比は0.47(95%信頼区間:0.30-0.73、p=0.0002)。

 治療終了時点で、進行を経験していなかった患者の割合は、ランレオチド群が62%、偽薬群は22%だった。

 サブグループ解析も行った。中腸NET患者73人ではPFSのハザード比は0.35(95%信頼区間:0.16-0.80、p=0.0091)、膵臓のNET患者91人では0.58(同:0.32-1.04、p=0.637)となった。Ki67指数が0-2%だった141人について同様に比較すると、ハザード比は0.43(95%信頼区間:0.25-0.74、p=0.0016)、3-10%だった61人では0.45(同:0.22-0.91、p=0.235)だった。肝臓に占める腫瘍細胞の割合が25%以下だった137人では、0.34(95%信頼区間:0.18-0.62、p=0.0002)、25%超だった67人では0.45(同:0.23-0.88、p=0.0170)になった。

 全生存率には有意差は見られなかった。

 神経内分泌腫瘍の高感度マーカーであるクロモグラニンA値がベースラインに比べ50%以上低下した患者は、試験開始後3カ月の時点から一貫してランレオチド群に多かった。追跡終了時にクロモグラニンA値がベースラインの2分の1未満になっている可能性を推定したところ、オッズ比は15.2(95%信頼区間:4.3-53.9、p=0.0001)になった。

 ランレオチドの安全性と忍容性は、これまでに行われた研究で見られたと同様に好ましいものだった。治療関連有害事象はランレオチド群の50%、偽薬群の28%に認められた。最も多かったのは下痢で、それぞれ26%と9%が経験したが、重症下痢は3%と1%にすぎなかった。重症有害事象は3%と1%に、有害事象による治療中止はそれぞれ3%に発生した。

 ランレオチド・オートゲル120mgはGEP-NET患者のPFSを延長できることが示された。サブグループ解析でもさまざまな患者集団に利益が見られた。