抗ヘパリン結合型上皮成長因子(HB-EGF)完全ヒト抗体製剤U3-1565が日本人患者に有望である可能性が示された。国内で実施されたフェーズ1試験で忍容性と一部の患者での抗腫瘍効果が認められたもの。9月27日から10月1日までオランダアムステルダムで開催されているEuropean Cancer Congress 2013(ECC2013)で、国立がん研究センター東病院の吉野孝之氏によって発表された。

 フェーズ1試験は3+3のデザインで実施された。患者は、2週おき(2度目の投与だけ3週後)にU3-1565を2mg/kg投与する群、8mg/kg投与する群、16mg/kg投与する群、24mg/kg投与する群、毎週24mg/kg投与する群に分けられた。

 各群3人で15人(女性6人)が登録された。年齢中央値は62歳(52-73)。癌種は大腸癌が10人、卵巣癌が2人、その他が3人だった。

 試験の結果、用量制限毒性は認められず、治療に関連した重篤な副作用もなく、最大耐量(MTD)は到達できなかった。薬物動態データによると、血中U3-1565濃度は用量依存的で米国でのフェーズ1試験の結果と同様だった。

 薬剤関連副作用は、不快感(20.0%)、座瘡様皮膚炎(13.3%)、食欲減少(13.3%)が認められたがグレード1か2だった。

 RECISTによる抗腫瘍効果判定では3人(20.0%)で病勢安定(SD)が得られ、他は増悪だった。SD期間の中央値は15週(13-20)だった。