局所進行性の直腸癌で手術が予定されている患者を登録し、経口フルオロピリミジンを用いた術前化学放射線療法(CRT)と術後補助化学療法(CT)の両方にオキサリプラチンを追加し、転帰への影響を評価しているPETACC-6試験の2次評価指標に関する分析結果は、オキサリプラチン追加の利益を示せなかった。ECC2013において、独Martin Luther大学のHans-Joachim Schmoll氏が2013年9月28日に口頭発表した

 フルオロピリミジンを用いたCRTが適用された局所進行性直腸癌患者の局所再発率は6%未満と低いが、長期的な生存率は65%程度にとどまり、これを向上させる治療が求められている。大腸癌ではなく直腸癌に限定して、オキサリプラチンをCRTとCTに加えることの有効性と安全性を検討する必要があると考えたSchmoll氏らは、PETACC-6を設計した。今回は、2次評価指標に設定されている病理学的転帰と括約筋温存への影響を報告した。

 2008年11月から2011年9月まで、181施設で患者登録を実施。肛門縁から12cm以内の直腸癌で、病期はT3/4、さらに/またはリンパ節転移陽性、遠隔転移は見つかっておらず、組み入れ時に切除可能と見なされた、または術前療法により切除可能になると予想された患者を登録し、以下の2通りのレジメンに無作為に割り付けた。

 対照群:38日間の術前CRTを実施。45Gyを25分割して照射(総線量を50.4Gyまで上げることを認めた)し、カペシタビン(825mg/m2を1日2回)投与。いずれも週末は休止した。術後に4.5カ月間のCTを実施。カペシタビン1000mg/m2を1日2回投与する治療を1日目から15日目まで行い6日休薬する3週間単位の治療を6サイクル行い、追跡した。

 介入群:同じレジメンにオキサリプラチンを追加。術前には、1日目、8日目、15日目、22日目、29日目に50mg/m2/日を静注、術後は130mg/m2を3週間単位の治療の1日目に投与し、追跡した。

 この試験の主要転帰評価指標は3年無病生存率(DFS)に設定されており、データは2014年のASCOで報告される見込みだ。

 対照群の547人の平均年齢は62歳、男性が72.0%で、全身状態が良好な患者が99.8%、介入群はそれぞれ62歳、69.5%、98.7%だった。肛門縁から腫瘍までの長さが5cm以下だった患者が対照群の43.0%、介入群の43.1%を占めた。

 対照群の97.8%、介入群の92.5%が45Gy以上の放射線治療を受けた。CRTで服薬すべきカペシタビンの総用量に対して、実際に使用した用量が90%以下だった患者は、対照群が7.3%、介入群は21.8%だった。オキサリプラチンについては、介入群の27.0%が、実際に使用した量は使用すべき用量の90%以下だったと判定された。

 割り付けられた治療を1回以上受けた患者に見られたグレード3以上の有害事象は介入群に多く、グレード3は14.5%と32.5%、グレード4は0.7%と5.1%だった。グレード3以上の有害事象の中心は下痢だった。

 2次評価指標について、intention-to-treat分析したところ、完全切除(R0切除)が行われた患者は、対照群の92.3%と介入群の87.2%だった(p<0.01)。

 化学放射線療法後の病期(ypT)とリンパ節転移の数(N)に基づく評価で、病理学的完全寛解(ypT0N0)と判定された患者の割合は、11.5%と13.0%(p=0.46)。肛門括約筋温存率は69.3%と35.4%(p=0.15)だった。

 割り付けられた治療を1回以上受け、手術を受けた患者(対照群522人、介入群495人)を対象に分析すると、R0切除が行われた患者は96.6%と96.2%、ypT0N0患者は12.1%と14.3%、肛門括約筋温存率は72.4%と72.1%で、すべて両群間の差は有意ではなかった。

 オキサリプラチン追加は、毒性を高め、治療遵守率を低下させており、評価された転帰に改善は見られなかった。