直腸癌で全直腸間膜切除術(TME)を行った患者において、Oncotype DX Recurrence Score assay の12遺伝子を用いた再発スコア(RS)は、再発リスクの予測因子となることが示された。9月27日から10月1日までアムステルダムで開催されているEuropean Cancer Congress 2013(ECC2013)で、オランダLeiden University Medical CenterのMarlies S. Reimers氏が発表した。

 直腸癌は不均質な疾患であり、II期とIII期で適切に手術(TME)を行っても再発リスクを有する患者を定義し、追加治療が必要な患者と不要な患者を特定する必要がある。

 Oncotype DX Recurrence Score assayでは、再発予測に関連すると考えられる7遺伝子と対照の5遺伝子の合計12個の遺伝子の発現量からRSを求める。大腸癌では、3000人を超えるII期とIII期の患者において、RSが再発リスクの予測因子として検証されている。

 Reimers氏らは、II期とIII期の直腸癌患者における再発リスクとしてのRSを検証するため、1996年から2000年に行われたDutch TME試験の対象で検討を行った。同試験では、対象をTMEのみを行う群と放射線療法とTMEを行う群にランダムに割り付けた。

 今回の解析の対象は、術前または術後に補助化学療法は行わず、TMEのみを行った群に割り付けられた、II期とIII期の直腸癌患者だった。原発腫瘍のホルマリン固定・パラフィン包埋(FFPE)組織からRNAを抽出し、検証されている大腸癌遺伝子とアルゴリズムを用いて定量RT-PCRで評価した。

 Dutch TME試験の対象1861人中、TMEのみを行った群に割り付けられた患者は518人で、FFPEが入手可能だった患者は308人(59%)だった。このうちRT-PCRは297人(96%)で実施可能だった。297人中、II期は130人、IIIA/B期は110人、IIIC期は57人だった。R1切除となったのは、II期16.1%、IIIA/B期20.9%、IIIC期52.5%で、high gradeの割合はそれぞれ16.9%、34.5%、49.1%だった。追跡期間中央値は11年だった。

 病期と手術治療後の癌遺残の状態を調整すると、25検体あたりの連続的なRSは、ハザード比1.57(95%信頼区間:1.11-2.21)となり、RSが再発を予測することが示された(p=0.011)。

 病期と手術治療後の癌遺残の状態を調整した多変量のCox比例ハザードモデルでは、RSの効果はII期で高かった。RSのハザード比は、II期では3.27(95%信頼区間:1.52-7.01)、IIIA/B期では1.87(同:1.18-2.95)となった(それぞれp<0.001、p=0.007)。IIIC期ではハザード比は0.75(同:0.46-1.21)だった(p=0.243)。

 病期と手術治療後の癌遺残の状態に加え、T分類、腫瘍のgrade、リンパ節転移数といった臨床的かつ病理学的な因子を調整したモデルでも、RSは再発リスクを予測することが示された。RSのハザード比は、II期では3.40(95%信頼区間:1.58-7.30)、IIIA/B期では1.75(同:1.11-2.77)となった(それぞれp<0.001、p=0.019)。IIIC期ではハザード比は0.69(同:0.42-1.12)だった(p=0.122)。

 RSは、遠隔転移(ハザード比:1.50[95%信頼区間:1.04-2.17]、p=0.030)および直腸癌特異的死亡(ハザード比:1.64[同:1.15-2.34]、p=0.007)のリスクも予測した。II期では、すべての死亡のうち33人(52%)は癌に関連しない死亡で、これらの患者のRSは無再発生存期間(DFS)およびOSと相関しなかった。

 II期の患者130人ではRSの高い有用性が示された。5年時の再発リスクは、RSのLow群(63人、48%)では12%、Intermediate群(37人、28%)では29%、High群(30人、23%)では53%となった。5年時の遠隔転移のリスクはそれぞれ9%、26%、46%、5年時の直腸癌特異的死亡率は5%、20%、37%となった。

 Reimers氏は「RSは化学療法で有用性が得られる可能性がある、高リスクの患者を特定するうえで寄与すると考えられる。直腸癌の術後補助化学療法の役割についてはさらに研究が必要。RSを検証する今後の臨床試験では、術前に放射線療法を受けた患者における臨床的な有用性に焦点を当てる必要がある」と話した。