初発多発性骨髄腫でレナリドミドを用いて導入療法を行った患者の地固め療法として、メルファラン200mg/m2+自家幹細胞移植(ASCT)は、CRD(シクロホスファミド、レナリドミド、デキサメタゾン)と比べて有意に無増悪生存期間(PFS)を延長することが、多施設共同、フェーズ3のランダム化試験から明らかになった。また同試験では、その後の維持療法では、レナリドミド単剤よりもレナリドミドにプレドニゾンを追加した場合に増悪のリスクが低下することもわかった。12月7日から10日まで米国ニューオリンズで開催された第55回米国血液学会(ASH2013)で、米国Dana Farber Cancer InstituteのFrancesca Gay氏が発表した。

 Gay氏らはフェーズ3試験において、新規に診断された若年の多発性骨髄腫患者を対象として、レナリドミドとデキサメタゾンによる導入療法施行後の地固め療法として、CRDとMEL200(メルファラン200mg/m2)+ASCTを比較するとともに、その後の維持療法としてレナリドミドとプレドニゾンの併用療法とレナリドミド単剤療法を比較した。

 導入療法は全例に行い、28日を1サイクルとして、レナリドミド25mgを1-21日目、低用量デキサメタゾン40mgを1、8、15、22日目に投与した。その後、幹細胞動員を行った。

 地固め療法では、28日を1コースとして、CRD(シクロホスファミド300mg/m2/日を1、8、15日目、デキサメタゾン40mg/日を1、8、15、22日目、レナリドミド25mg/日を1-21日目に投与)を6サイクル施行する群(CRD群)、またはASCTを行い、メルファラン200mg/m2を2日目に投与して2サイクル施行する群(MEL200群)に、患者をランダムに割付けた。

 その後の維持療法では、28日を1サイクルとして、RP(レナリドミド10mg/m2を1-21日まで、プレドニゾン50mgを1日おきに投与)を増悪まで投与する群(RP群)、またはR(レナリドミド10mg/m2を1-21日まで投与)を増悪まで投与する群(R群)に、患者をランダムに割付けた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次的評価項目は安全性、寛解、全生存期間(OS)だった。

 対象は、65歳以下の新規に診断された症候性の多発性骨髄腫の患者で、59施設から389人が登録された。地固め療法では、CRD群194人、MEL200群195人となり、患者背景はバランスがとれていた。年齢中央値はいずれも57歳、多発性骨髄腫病期分類(ISS)のIII期はCRD群19%、MEL200群17%、染色体異常の分布も両群で同様だった。
 
 地固め療法の比較では、追跡期間中央値3年におけるPFS中央値は、CRD群27カ月、MEL200群は未到達、ハザード比1.46(95%信頼区間:1.09-1.92)となった。無増悪生存率はそれぞれ39%と56%で、MEL200群で有意に良好だった(p=0.012)。

 一方、3年時の全生存率は、CRD群81%、MEL200群84%、ハザード比1.04(95%信頼区間:0.63-1.70)で差はなかった(p=0.891)。

 地固め療法で発現したグレード3または4の有害事象は、MEL200群では、血小板減少(p<0.0001)、好中球減少(p<0.0001)、感染症(p=0.0023)、消化管障害(p=0.0002)が有意に多く発現した。ただし、治療中止の割合は両群で差はなかった(p=0.326)。

 維持療法では、RP群194人、R群195人となり、年齢中央値はそれぞれ58歳と56歳、ISSのIII期は14%と22%だった。染色体異常の分布は両群でほぼ同様だった。

 維持療法の比較では、追跡期間中央値20カ月において、2年時の無増悪生存率は、RP群69%、R群58%、ハザード比0.63(95%信頼区間:0.40-0.99)となり、RP群で増悪のリスクが低下した(p=0.045)。一方、2年時の全生存率は、それぞれ92%と90%で、ハザード比は0.93となり、差はなかった(p=0.879)。

 維持療法で発現したグレード3または4の有害事象は、好中球減少、皮膚毒性はR群で、感染症はRP群でやや多く発現したが、いずれも有意差はなかった。治療中止の割合はR群でやや多かったが、有意差はなかった。