レナリドミドによるメインテナンス療法は多発性骨髄腫患者の無増悪生存期間(PFS)を改善し、全生存期間(OS)を改善する傾向があるが、グレード3/4の有害事象や2次性発癌のリスクを増加する可能性のあることが、4つのランダム化試験のメタ解析で明らかになった。米国Mayo Clinic のPreet Paul Singh氏らが、12月7日から10日まで米国ニューオリンズで開催された米国血液学会(ASH2013)で発表した。

 経口剤であるレナリドミドはメインテナンス療法の薬剤として有用性が高いとされるが、全生存期間への影響や毒性に関して、臨床試験によって異なる結果が報告されている。そこでレナリドミドのメインテナンス療法を行う群と行わない群もしくはプラセボ投与群を比較したランダム化臨床試験で、PFSとOSを評価項目としている試験についてメタ解析が行われた。

 解析対象は以下4つのフェーズ3試験で、多発性骨髄腫患者は合計で1935人だった。IFM 05-02試験とCALGB 100104試験は、プラセボ対照の試験で、自家幹細胞移植(ASCT)後に、レナリドミドのメインテナンス療法が行われた。MM-015試験もプラセボ対照試験だが、移植適応とならない患者に対しMPR療法による導入療法後にレナリドミドのメインテナンス療法を実施した。RV-MM-PI209試験は2×2デザインの試験で、ASCTを行う群と行わない群を比較し、さらにレナリドミドのメインテナンス療法を行う群と行わない群を比較した。

 解析の結果、レナリドミドのメインテナンス療法によるPFSのハザード比は0.491、95%信頼区間:0.425-0.560、p<0.001で、有意にPFSを延長することが示された。また試験間の不均一性もなかった(コクランQ検定p=0.68、I2=0%)。

 一方、OSのハザード比は0.767、95%信頼区間:0.574-1.023、p=0.071で、有意ではなかった。また試験による不均一性が見られた(コクランQ検定p=0.044、I2=63%)。移植を行った患者に限っても(IFM 05-02試験とCALGB 100104試験のみ)、OSのハザード比は0.82、95%信頼区間:0.48-1.40、p=0.462であった(コクランQ検定p=0.016、I2=82.8%)。

 最良奏効については(IFM 05-02試験とRV-MM-PI209試験のみ)、VGPR以上に達するオッズ比が1.28と、レナリドミドのメインテナンス療法群で良好な傾向はあったが、p=0.329で有意ではなかった(コクランQ検定p=0.082、I2=66.9%)。

 グレード3/4の有害事象については、レナリドミドのメインテナンス療法群で増加する傾向が見られた。好中球減少症でのオッズ比4.9、p<0.001、血小板減少症のオッズ比2.7、p<0.001、倦怠感についてのオッズ比2.3、p=0.01、静脈血栓塞栓症のオッズ比3.2、p=0.02だった。

 また2次性発癌についてのオッズ比1.62、p=0.006で、レナリドミドのメインテナンス療法によってリスクが高くなることが示された(コクランQ検定p=0.644、I2=0%)。

 今回の解析では、レナリドミドのメインテナンス療法によって利益を受ける患者のサブグループは明らかにならなかったことから、使用にあたり、レナリドミドのメインテナンス療法のリスクと利益を患者と話し合うべきであるとした。