リツキシマブによるメインテナンス療法は、アグレッシブ(中悪性度)B細胞リンパ腫の男性患者において、無イベント生存(EFS)と無増悪生存(PFS)を有意に延長することが、NHL13試験のサブグループ解析で明らかになった。女性では有意な延長は見られなかった。オーストリアArbeitsgemeinschaft Medikamentose TumortherapieのUlrich Jaeger氏らが、12月7日から米国ニューオリンズで開催された米国血液学会(ASH2013)で発表した。

 NHL13試験は、CD20陽性のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)もしくはグレード3bの濾胞性リンパ腫患者で、R-CHOP様の導入療法後にCRまたはCRuとなった患者を対象に、リツキシマブによるメインテナンス療法を行う群と経過観察群を比較した。

 メインテナンス療法は、リツキシマブ375mg/m2を2カ月おきに2年間で12回投与した。同試験には683人が登録され(DLBCL 662人、濾胞性リンパ腫21人)、男性がリツキシマブ群は48.2%、経過観察群が52.8%だった。

 試験の結果、主要評価項目であるEFSは経過観察群に比べてリツキシマブ群で良好な傾向が示されたが、統計学的に有意ではなかった(ハザード比0.78、95%信頼区間:0.57-1.08、p=0.067)。ただしEFSのサブグループ解析では、男性患者ではリツキシマブ群のほうが明らかに良好だった。そこで性別による詳細な解析が行われた。

 解析の結果、男性のEFSはリツキシマブのメインテナンス療法により有意に改善し、3年EFS率がリツキシマブ群は84.1%、経過観察群は74.4%で、ハザード比0.58、95%信頼区間:0.36-0.94、p=0.0267だった。

 一方、女性では2群間に有意な差がなく、3年EFS率はリツキシマブ群が76.8%、経過観察群が78.7%、ハザード比1.05、95%信頼区間:0.67-1.66、p=0.8246となった。

 また男性では、IPIスコアが1以下の患者では特にEFSが良好で、3年EFS率がリツキシマブ群91.2%、経過観察群78.2%だった。IPIスコアが1を超える患者では、リツキシマブ群77.1%、経過観察群70.2%であった。

 女性では、IPIスコアが1以下の患者では3年EFS率がリツキシマブ群79.5%、経過観察群82.5%で、IPIスコアが1を超える患者ではリツキシマブ群74.7%、経過観察群75.7%となった。

 多変量解析の結果、男性においてEFSに影響する有意な因子は、治療(リツキシマブ、経過観察)、年齢(60歳以下、60歳超)、地域(オーストラリア、ヨーロッパ)、臨床病期(1/2 、3/4)であった。また解析にIPIを変数として含めると、治療、地域、IPI(1以下、1を超える)が因子として抽出された。

 PFSについても同様に、男性でのみリツキシマブ治療の有意な有効性が示された。男性では3年PFS率がリツキシマブ群で89.0%、経過観察群で77.6%、ハザード比0.45、95%信頼区間:0.25-0.79、p=0.0058だった。しかし女性ではそれぞれ83.7%、80.5%で、ハザード比0.79、95%信頼区間:0.47-1.33、p=0.3693であった。

 またIPIが1以下の男性患者では、3年PFS率がリツキシマブ群96.1%、経過観察群80.5%、女性ではそれぞれ89.2%、85.1%であった。

 多変量解析では、男性において治療(リツキシマブ、経過観察)、IPI(1以下、1を超える)がPFSに有意に影響する因子であった。

 なお有害事象を比較すると、リツキシマブ群におけるグレード3/4の有害事象が女性では21.7%、男性では12.3%に認められた(p=0.0297)。特に感染症が女性のリツキシマブ群で40.6%と多く、男性では29.4%だった。

 全生存期間は男性患者(IPI 1以下)でも2群間に有意な違いは認められなかった(ハザード比0.35、p=0.1916)。

 以上のことから、男性患者ではリツキシマブのメインテナンス療法はR-CHOP様の導入療法後の予後を改善するとし、アグレッシブB細胞リンパ腫の男性に対し、リツキシマブの長期投与あるいは増量の検討が必要であるとした。