R-CHOP療法に奏効した濾胞性リンパ腫(FL)への治療として、90Y イブリツモマブ チウキセタンによる地固め療法よりもリツキシマブによる維持療法の方が無増悪生存(PFS)を改善したことが、多施設国際共同フェーズ2のZAR試験から示された。スペインのPETHEMA/GELTAMO/GELCAB Spanish Intergroupを代表し、スペインHospital Clinic de BarcelonaのArmando Lopez-Guillermo氏らが、米国ニューオリンズで12月7日から10日まで開催された第55回米国血液学会(ASH2013)で発表した。

 FL患者の予後は良好だが、治療後3-5年で病勢進行が見られる。リツキシマブなどを用いた導入療法後に90Y イブリツモマブ チウキセタンを用いた地固め療法を行うことでPFSと次の治療までの期間が改善することが報告されている。また、リツキシマブを用いた維持療法はFL患者へ標準的に行われている。

 そこで、スペインのPETHEMA/GELTAMO/GELCAB Spanish Intergroupは2008年、R-CHOP療法に奏効した患者を対象に、90Y イブリツモマブ チウキセタンによる地固め療法とリツキシマブによる維持療法を比較する多施設国際共同無作為化フェーズ2試験を開始した。

 対象は、18-75歳、Ann-Arbor分類でステージII-IV、FLグレードが1、2、3a、CD20陽性の未治療FL患者。

 導入療法としてR-CHOP療法を6コース実施。完全奏効(CR)もしくが部分奏効(PR)が得られた患者に対し、90Y イブリツモマブ チウキセタンを用いた地固め療法を行う群(イブリツモマブ群)とリツキシマブによる維持療法を行う群(リツキシマブ群)の2群に無作為に割り付け、5年間追跡した。

 イブリツモマブ群では、day0-8にリツキシマブ250mg/m2を投与し、リツキシマブによる導入療法終了後60-90日に90Y イブリツモマブ チウキセタン0.4mCi/kgを静脈投与(総投与量は32mCi)。リツキシマブ群では、導入療法としてリツキシマブ最終投与した後の60-90日の期間中にリツキシマブ 375mg/m2を8週間おきに12回静脈投与した。

 主要評価項目は、無作為化時点からのPFS。副次評価項目は維持療法終了時の完全奏効率、再治療までの期間、全生存(OS)など。

 2008年6月から2010年7月までに146人を登録し、R-CHOP療法後に126人が2群に無作為に割り付けられた(イブリツモマブ群64人、リツキシマブ群62人)。

 両群の患者背景に有意差はなく、年齢中央値はイブリツモマブ群が52歳、リツキシマブ群が53歳、Ann-Arbor分類のステージIVが52%、68%、R-CHOP療法で完全寛解(CR)もしくは未確定完全寛解(CRu)が得られた患者は53%、57%だった。

 主要評価項目であるPFS率は、3年時点でイブリツモマブ群が63%に対し、リツキシマブ群が77%で有意に改善した(ハザード比0.517、95%信頼区間:0.269-0.996、p=0.044)。

 また、R-CHOP療法後にCRが得られた患者において、両群のPFSに有意差はなかった。一方、部分奏効(PR)が得られた患者においては両群間に有意差が見られ、リツキシマブ群の方が良好だった(p=0.01)。

 OS、次の治療までの期間は、両群間に有意差はなかった。

 グレード3または4の有害事象の発現率は、イブリツモマブ群が25%、リツキシマブ群が26%だった。両群間で有意差があったグレード3または4の有害事象としては、リツキシマブ群で感染症が多く(13%対2%、p=0.01)、イブリツモマブ群では血小板減少症が多かった(8%対0%、p=0.055)。

 7人は病勢進行もしくは疾患関連要因で死亡したが、有害事象による死亡は見られなかった。

 これらの結果からLopez-Guillermo氏は、「R-CHOP療法に奏効したFL患者においては、90Y イブリツモマブ チウキセタンによる地固め療法よりもリツキシマブによる維持療法の方がPFSの観点において良好だったほか、安全性プロファイルは妥当で、両群ともに予期しない毒性は見られなかった」とまとめた。