アグレッシブ(中悪性度)びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)において、T細胞に発現し免疫抑制に関与するPD-1(Programmed death 1)のリガンドであるPD-L1の血漿中の発現量が多い患者は予後不良の傾向にあることが、臨床試験に参加したDLBCL患者の血中可溶性PD-L1を解析して明らかになった。フランスUniversity hospital of RennesのThierry Fest氏らが、12月7日から10日まで米国ニューオリンズで開催されている米国血液学会(ASH2013)で発表した。

 対象はGroupe Ouest-Est des Leucemies et des Autres Maladies du Sang(GOELAMS)075 試験の患者。同試験は多施設共同ランダム化試験で、未治療のCD陽性アグレッシブDLBCL患者を、R-CHOP療法を8コース行う群と、自家幹細胞移植を伴う高用量化学療法とリツキシマブを投与する群(R-HDT)に分けた。患者はAnn ArborステージI/IIで腫瘍径7cm以上、もしくはステージIII/IVとした。血漿は治療前に採取された。可溶性PD-L1はELISAアッセイで測定した。

 同試験では337人がランダム化され、288人を解析対象とした。フォローアップ期間中央値46.7カ月で、3年生存率が84.8%、治療群間で全生存期間に有意な違いはなかった。

 解析の結果、血漿中の可溶性PD-L1値は、性別と年齢をマッチングさせた健常者と比べて高い値を示した(p<0.0001)。また予後を予測するPD-L1のカットオフ値は1.52ng/mLと算出された。

 可溶性PD-L1値が1.52ng/mLよりも高い患者(高値群)は、DLBCL患者で89人(31%)、健常者では2人(3%)だった。PD-L1高値の患者の予後は不良で、3年生存率は高値群では75.6%、低値群は88.9%だった。

 可溶性PD-L1、骨髄病変、リンパ球/単球スコア、年齢(カットオフ値:50歳)、年齢調整国際予後指標IPIスコア、治療群を変数として多変量解析を行った結果、可溶性PD-L1(ハザード比2.03)、骨髄病変(同2.21)、リンパ球/単球スコア(同4.55)が有意な予後因子であった(p<0.05)。

 治療群ごとに分けると、R-CHOP療法では、可溶性PD-L1高値群の3年生存率は71.4%、低値群は91.5%で有意に異なった。一方、R-HDTでは高値群80.3%、低値群86.3%で有意差はなかった。

 このため移植を伴うR-HDTは可溶性PD-L1高値の影響を減弱するとし、R-CHOP療法は可溶性PD-L1低値の患者に対する良い選択肢であるとした。なお可溶性PD-L1が高い値の患者では予後が不良だが、患者が完全寛解に至ると正常値に戻るという。

 以上の結果から、診断時の末梢血中の可溶性PD-L1発現はDLBCL患者において効果予測バイオマーカーになる可能性があるとした。