新規診断多発性骨髄腫(MM)に対するCRd-R療法(Carfilzomib+レナリドミド+デキサメタゾン後にレナリドミドで維持療法)は、グレード3以上の神経障害を起こすことなく、迅速で深い寛解をもたらすことが、フェーズ2試験で示された。完全寛解(nCR/CR/sCR)した全例が、高感度の微小残存疾患(MRD)評価で陰性だった。12月7日から10日まで米国ニューオリンズで開催された第55回米国血液学会で、米国National Cancer InstituteのNeha Korde氏が発表した。

 不可逆性プロテアソーム阻害剤Carfilzomibは、ボルテゾミブと比較して末梢神経障害が少なく、高い抗MM活性によって、深く持続的な寛解をもたらすことが期待されている。Korde氏らは、新規診断MM患者に対する導入療法として、Carfilzomibと免疫調節薬(IMiD)レナリドミド、デキサメタゾンを併用し、維持療法としてレナリドミドを延長投与するCRd-R療法の安全性と効果を検討するフェーズ2試験を行った。

 CRd-R療法は、Carfilzomib(20/36mg/m2)を第1、2、8、9、15、16日に30分かけて静注+レナリドミド(25mg)を第1-21日に経口投与+デキサメタゾン(サイクル1-4は20mg、5-8は10mg)を第1、2、8、9、15、16、22、23日に静注または経口投与――を8サイクル行い、SD以上を得た患者に対してレナリドミド(10mg)を第1−21日に24サイクル投与した。移植適格の患者(75歳未満)では、CRdの4サイクル後に、自家造血幹細胞採取を行った。

 主要エンドポイントは、プロテアソーム阻害で問題となる神経障害(グレード3以上)とした。また、治療開始時、サイクル1の第2日(Carfilzomibのみの投与後)、CR達成時または8サイクル終了時と維持療法終了時に、骨髄穿刺液を採取。臨床バイオマーカーを、FDG-PET CT撮影、MRD検査(フローサイトメトリーとPCR)によって評価した。フローサイトメトリー(MFC)では、3-4×106の骨髄細胞を解析し、異常な血清細胞が20以下の場合に、MRD陰性とした。

 解析対象は、11月13日までに登録された45例のうち、2サイクル以上を完了していた43例(男性26例、年齢中央値60[40-88]歳)。治療サイクル数中央値は12(2-25)、8サイクルを完了したのは29例だった。

 グレード3以上の神経障害を起こしたのは1例もなかった。

 最も多く認められたグレード3/4の非血液学的毒性は、低リン血症を中心とする電解質異常(9例21%)、血液学的毒性はリンパ球減少(28例65%)だった。

 M蛋白はCRd療法によって迅速に低下し、2サイクル後には85%の低下が認められた。またこの時点で、半数以上の患者がVGPR以上を達成しており、すでにMRDなしのsCRを達成できた患者もいた。nCR/CR/sCRでMFCによる評価が行われた27例は、全例がMRD陰性だった。

 nCR/CR/sCRは、2サイクルで7/43例(16%)、8サイクルで24/33例(73%)。
CRd-Rによる治療サイクル数中央値12における最良効果はORR(>PR)42/43例(98%)、≧VGPR 38/43例(88%)、nCR/CR/sCR 29/43例(67%)だった。CR/sCR 22例(51%)のうち5例(23%)は、レナリドミド延長投与中での達成だった。CR/sCR達成までの時間の中央値は5(2-18)カ月。12カ月PFS率 は97(78-99)%、18カ月PFS率は 91(68-98)%だった。試験脱落は4例(病勢進行3例、個人的な理由1例)のみで、他の患者は治療継続中である。

 65歳未満(24例)と65歳以上(19例)における効果と忍容性に有意差は認められなかった。

 Korde氏は、「現在、残存疾患の発見において、フローサイトメトリー、機能画像、PCRを用いた評価が重要な役割を果たしている。今回、これらの技術を用いることで、CRd-R療法を受けた新規MM患者における深い寛解とMRD陰性が、一貫して示された。より効果的な治療の開発に伴い、患者がより深い反応を得られるようになっており、今後、より高感度の技術によって、“伝統的な”CR率を超える残存腫瘍量を評価するための、よりよいマーカーを開発していく必要があるだろう」との見解を述べた。