治療抵抗性または不応の多発性骨髄腫(MM)患者に対し、AKT阻害薬afuresertibとボルテゾミブ、デキサメタゾンの併用療法は、忍容性が確認され、一部の患者では有効性が認められた。フェーズ1b試験によるもので、米国University of North Carolina Lineberger Comprehensive Cancer CenterのPeter M Voorhees氏らが、米国ニューオリンズで12月7日から10日まで開催された第55回米国血液学会(ASH2013)で発表した。

 afuresertibは、AKTキナーゼ(Akt1、Akt2、Akt3、Akt1 E17K変異)を阻害する可逆的なAKT阻害薬。前臨床試験においてMMモデルでボルテゾミブと併用投与すると相乗効果が得られることが報告されているほか、前治療数の多いMM患者に対してafuresertib単剤投与が有効性を示したと報告されている。

 今回、Voorhees氏らは、afuresertibをボルテゾミブ+デキサメタゾンの併用療法について、ボルテゾミブ未治療、治療抵抗性、不応の再発MM患者を対象に用量漸増試験(パート1)と、ボルテゾミブ未治療もしくは抵抗性の再発MM患者を対象に安全性を評価する拡大試験(パート2)からなるフェーズ1b試験を行った。1ライン以上の前治療歴を持つ患者を対象にした。

 パート1部分の用量漸増試験では、導入療法として1-8サイクルのday1、4、8、11にボルテゾミブ(1.0または1.3mg/m2)を静注または皮下投与、デキサメタゾン(20mgまたは40mg)はday1、4、8、11に経口投与、afuresertib(75、100、125、150、175mg)はday1-21まで経口投与した。9サイクル目以降は維持療法で、afuresertib単剤を連日投与した。主要評価項目は安全性、認容性、最大耐容量(MTD)。

 続くパート2の安全性を解析する拡大試験部分では、ボルテゾミブ 1.3mg/m2+デキサメタゾン 20mg+afuresertib 150mgを8サイクル投与。9サイクル以降はafuresertib単剤を投与した。主要評価項目は安全性、認容性、奏効率。

 合計81人を登録した。年齢中央値は64歳(範囲35-83)、Hb値中央値は113.5g/L、前治療ライン数中央値は3(範囲1-10)で、試験継続中の患者は36%。ISSステージ1は43%、2は32%、3は17%。17p 欠失は11%、t(4;14)は9%、t(14;16)は4%だった。

 81人の前治療は、プロテアソーム阻害薬を受けていたのが82%、免疫調節薬が96%、その両方を併用していたのが79%、自家移植を受けていたのが63%だった。

 用量制限毒性(DLT)は、afuresertib 100mgで1人(グレード2のALT上昇)、125mgで1人(グレード3の多形性紅斑)、175mgで2人(グレード3の皮疹、グレード3の皮疹と下痢、グレード3の血小板減少症)が認められた。

 これらの結果から、MTDはafuresertibが150mg(経口で連日投与)、ボルテゾミブは1.3mg/m2(day1、4、8、11に静注もしくは皮下投与)、デキサメタゾンは40mg(day1、4、8、11に経口投与)と決定した。

 グレード3以上の血液学的毒性は、血小板減少症が27%と最も多く、貧血(10%)、好中球減少症(7%)と続いた。グレード3以上の非血液学的毒性は下痢が14%、高血糖が7%だった。重篤な有害事象は31人に認められ、感染症、急性腎障害、皮膚障害、消化器毒性、骨関連事象、心血管イベントなどだった。有害事象が原因で試験を中断したのは23%で、敗血症ショックによる死亡例が1人だった。

 また、パート1部分における奏効率(ORR)は50%、パート2部分では65%だった。ボルテゾミブ未治療患者でのORRは62%、ボルテゾミブ抵抗性患者では61%、ボルテゾミブ不応患者では43%だった。

 afuresertibの薬物動態プロファイルを調べたところ、ボルテゾミブもしくはデキサメタゾン投与の影響を受けなかった。ボルテゾミブの薬物動態プロファイルはafuresertibからの影響を受けないが、デキサメタゾンはafuresertibと併用した場合、その濃度が30-50%上昇した。

 これらの結果からVoorhees氏らは、「afuresertibはボルテゾミブ、デキサメタゾンと併用投与することで、臨床的に有効と期待される。消化器系や皮膚などの有害事象が発現したが管理可能であり、安全に投与可能だった。ボルテゾミブ不応患者における反応から、afuresertibはボルテゾミブ抵抗性を克服する方法になるかも知れない」と指摘した。