リツキシマブベースの化学療法(R-CHOP)を行ったハイリスクびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の再発予防として、選択的なセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤であるenzastaurin単剤を投与したフェーズ3試験PRELUDEの詳細が明らかとなった。プラセボ群に比べて無病生存期間(DFS)、無イベント生存期間(EFS)、全生存期間(OS)を有意に延長することはできなかった。12月7日から10日までニューオリンズで開催されている米国血液学会(ASH2013)で、カナダPrincess Margaret Cancer CentreのMichael Crump氏によって発表された。

 PRELUDE試験は、国際無作為化二重盲検プラセボ対照試験。組織診断時にInternational Prognostic Index (IPI)スコアが3から5の再発リスクの高いDLBCL患者で、6から8サイクルのR-CHOPを受けて、International Working Group Criteriaで完全奏効または未確認完全奏効、もしくはFDG-PETスキャンで陰性となった患者を対象に行われた。患者は、維持療法として3年間、毎日enzastaurin500mgを投与する群(1日目の投与量だけ1125mg、enzastaurin群)とプラセボを投与する群(プラセボ群)に2対1の比率で無作為に割り付けられた。

 主要評価項目はDFS。副次評価項目はOS、EFSだった。最後の登録患者が治療を開始してから3年後のデータが解析に用いられた。

 2006年5月から2010年4月までに758人のDLBCL患者が登録された。enzastaurin群が504人、プラセボ群が254人だった。登録時の年齢中央値は64歳(21-89)で、診断時に65%の患者がIV期で、48%がB(継続または繰り返す38度以上の原因不明の発熱、盗汗、6カ月以内での10%以上の体重減少などのいずれかの症状がある場合)、25%が腫瘍の大きさが10cm超だった。患者背景は両群で大きな差はなかった。R-CHOP完了後57%の患者がPETスキャン陰性だった。実際にenzastaurinの投与を受けたのは493人、プラセボの投与を受けたのは249人で、3年の投与が完了したのは263人と129人だった。全患者の観察期間中央値は48.0カ月(0.03-80.30)。解析時で209イベントが発生していた。

 DFSのハザード比は0.92(95%信頼区間:0.689-1.216)、p=0.541で、両群で有意な差はなかった。2年DFS率はenzastaurin群が79%、プラセボ群が75%、4年DFS率はenzastaurin群が70%、プラセボ群が71%だった。無作為化因子によるDFSのサブグループ解析でも有意な差のあるものはなかった。さらに免疫組織化学的に胚中心B細胞由来のGCB型、活性化B細胞由来のnon-GCB型のどちらであってもDFSの差はなかった。

 OSのハザード比は1.04(95%信頼区間:0.741-1.468)、p=0.807で、両群で有意な差はなかった。2年OS率はenzastaurin群が87%、プラセボ群が89%、4年OS率はenzastaurin群が81%、プラセボ群が82%だった。

 EFSのハザード比は0.90(95%信頼区間:0.68-1.19)、p=0.460で、両群で有意な差はなかった。2年EFS率はenzastaurin群が78%、プラセボ群が73%、4年EFS率はenzastaurin群が69%、プラセボ群が70%だった。