日本人の慢性期の慢性骨髄性白血病(CML)患者で、イマチニブ治療後のセカンドラインとしてダサチニブを投与し、1年間安定的な分子遺伝学的完全寛解(CMR)が得られた患者では、ダサチニブの投与を中断できる可能性が明らかとなった。国内で行われた前向き臨床試験DADIの中間報告で示されたもの。ダサチニブの投与中断の可能性が国内で示されたのは初めてになる。12月7日から10日までニューオリンズで開催されている米国血液学会(ASH2013)で、広島市立安佐市民病院の田中英夫氏によって発表された。

 DADI試験は、イマチニブまたはニロチニブに抵抗性または不耐容となった慢性期CML患者でダサチニブ投与によりCMRになった患者のうち、1年間ダサチニブ投薬を継続し、CMRが維持された患者を対象に中断が行われた。患者へのダサチニブ投与を中断してからの最初の1年間は毎月RQ-PCRで検査を行い、その後は3カ月ごとにRQ-PCR検査を行った。CMRではなくなった患者にはダサチニブの再投与を行った。主要評価項目はダサチニブ中断後の6カ月時点での分子遺伝学的無再発生存(MoRFS)率とされた。

 2011年4月1日から2012年3月31日までに41施設から88人の患者が前登録され、ダサチニブの継続投与を行い、3カ月ごとのRQ-PCRで1年間CMRが維持された63人が登録されダサチニブの中断が行われた。63人(男性が42人)全員がイマチニブの投与経験があり、14人が抵抗性、35人が不耐容だった。インターフェロンαの投与経験のある患者は1人、ニロチニブの投与経験のある患者が4人、インターフェロンαとニロチニブの投与経験のある患者が1人だった。年齢中央値は59.5歳(24-84)。Sokal scoreはlowが65%、intermediateが14%、highが14%、不明が6%だった。

 試験の中間解析では、63人中27人でダサチニブ中断後少なくとも6カ月の経過観察ができていた。27人のうち6カ月時点でCMRを維持していたのは12人で、分子遺伝学的再発は15人で起きていた。カプランマイヤー法による6カ月MoRFS率は44%(95%信頼区間:26-62)だった。

 分子遺伝学的再発を起こした患者ではダサチニブの再投与で速やかに分子遺伝学的効果が得られた。再発した15人のうち、再度のCMR評価に可能なデータが得られた13人のうち12人が3カ月以内にCMRとなり、その状態を現在も維持している。CMRになっていない1人でも再投与3カ月目で分子遺伝学的大反応(MMR)のレベルに回復している。