慢性期(CP)または移行期(AP)の慢性骨髄性白血病(CML)患者に対し、蛋白合成阻害薬omacetaxine mepesuccinateの24カ月以上の皮下投与は、有効で忍容性があることが報告された。2つの臨床試験コホートをもとに行った最終解析結果によるもので、Texas大学MD Anderson Cancer CenterのJorge E. Cortes氏らが、米国ニューオリンズで12月7日から10日まで開催されている第55回米国血液学会(ASH2013)で発表した。

 CML患者の20-30%において、チロシンキナーゼ阻害薬に対する抵抗性もしくは不耐容が認められる。こうした治療抵抗性は、TKIのBCR-ABL蛋白への結合を阻害するT351I変異を含む、Bcr-Abl遺伝子変異が原因とされる。

 皮下投与のomacetaxine mepesuccinateは、蛋白合成阻害薬で、TKIとは異なり、Bcr-Ablシグナル伝達系に作用しない。Bcr-Abl、Mcl-1、c-Mycなど腫瘍蛋白の発現量を減少させるもので、リボソームでの翻訳初期段階を阻害することで白血病幹細胞のアポトーシスを誘導する。米国では、前治療で2つ以上のTKIで抵抗性もしくは不耐容を示したCP-CMLまたはAP-CMLに対して承認されている。

 今回報告したのは、2つの国際共同フェーズ2試験をもとにしたコホートの最終解析結果で、CP-CMLもしくはAP-CML患者に対し、omacetaxine mepesuccinateを少なくとも24カ月皮下投与した際の有効性と認容性を評価した。

 対象は18歳以上、2つ以上のTKI(イマチニブ、ダサチニブかつ/またはニロチニブ)に治療抵抗性もしくは不耐容の、フィラデルフィア染色体陽性のCPもしくはAPのCML患者。28日を1サイクルとし、omacetaxine mepesuccinate 1.25 mg/m2を1日2回、導入療法期間として14日間、維持療法期間として7日間皮下投与した。

 主要評価項目は、CP-CML患者については細胞遺伝学的効果(MCyR、分裂期細胞のPh陽性率35%以上)、AP-CML患者については血液学的大寛解(MaHR)。副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存(OS)、有害事象など。

 有効性解析コホートのCP患者(76人)の年齢中央値は59歳、AP患者(35人)は64歳。CP患者の40人が2つのTKI治療歴を、AP患者の22人が3つのTKI治療歴を持っていた。最初の投与からの追跡期間中央値は、CP患者が29.5カ月、AP患者が14.3カ月。

 CP、AP患者ともに寛解導入療法のサイクル中央値は2(範囲1-6)、維持療法はCP患者が7(範囲1-48)、AP患者が3(範囲1-16)だった。

 解析の結果、CP患者におけるMCyR率は18%で、これらの患者における治療反応開始までの期間は平均3.5カ月、治療反応期間中央値は12.5カ月だった。CP患者におけるMaHR率は70%で、治療反応開始までの期間中央値は0.7カ月、治療反応期間中央値は11.1カ月だった。

 AP患者におけるMaHR率は14%で、これらの患者における治療反応開始までの期間は平均2.3カ月、治療反応期間中央値は4.7カ月だった。

 PFS中央値はCP患者が9.6カ月、AP患者が3.6カ月。OS中央値はCP患者が40.3カ月(95%信頼区間:23.8-未達)、AP患者が14.3カ月(95%信頼区間:6.7-18.7)だった。

 次に忍容性解析データの患者背景を見ると、CP患者(108人)の年齢中央値は58歳、AP患者(55人)は57歳。前治療でイマチニブとダサチニブを使用した患者はCP患者が33%、AP患者が25%、イマチニブとダサチニブとニロチニブの3剤を使用した患者はそれぞれ33%、44%。

 最も多く見られたグレード3または4の血液学的毒性は、CP患者とAP患者ともに血小板減少症だった(それぞれ85%、88%)。好中球減少症はそれぞれ81%、70%、白血球減少症が76%、60%、貧血が60%、78%だった。

 グレード3または4の非血液学的毒性は、CP患者とAP患者ともに疲労が最も多かった(5%、9%)。肺炎はそれぞれ3%、7%だった。グレード3、4の出血性イベントは、CP患者のうち8人に、AP患者のうち6人に認められた。

 投与中断に至った有害事象理由は病勢進行が最も多く、CP患者で6人、AP患者では5人だった。

 24カ月以上の追跡期間中に、CP患者の53人、AP患者の38人が死亡。このうち、CP患者の48人、AP患者の34人は最終投与から30日以上経過後に死亡した。死亡原因で最も多かったのは病勢進行だった(それぞれ25人、15人)。

 これらの結果からCortes氏は、24カ月の追跡結果からomacetaxine mepesuccinateは、前治療レジメン数の多いCP-CMLもしくはAP-CML患者に対して臨床的に有用で忍容性があるとした。また、今回の最終解析によって、CP患者のOS中央値が前回報告した33.9カ月から40.3カ月に延長したが、AP患者は変更がなかった。安全性情報についても新たなものはなく、グレード3または4の有害事象は骨髄抑制に関連するものだった」とまとめた。