未治療の急性骨髄性白血病(AML)でFLT3遺伝子変異を有する患者に対し、ボリノスタット、イダルビシン、シタラビンの併用療法は高い寛解率と持続的な寛解を示すことが、フェーズ2試験を拡大した検討から示された。ただし、再発・難治性のAMLでFLT3遺伝子変異を有する患者では効果は低減した。12月7日から10日まで米国ニューオリンズで開催されている第55回米国血液学会(ASH2013)で、米国University of Texas MD Anderson Cancer Centerの高橋康一氏が発表した。

 ボリノスタット、イダルビシン、シタラビンの併用療法は、新規に診断されたAML患者に対し、高い寛解率を示すことがフェーズ2試験で示された(Gulliermo Garcia-Manero, et al. J Clin Oncol 2012;30:2204-2210)。この試験では、FLT3-ITD(遺伝子内縦列重複)陽性の患者11人の寛解率が100%となった。

 高橋氏らは、AMLでFLT3遺伝子変異を有する患者における同併用療法の有効性を確認するため、前述のフェーズ2試験を拡大し、2つのコホートを追加して検討した。患者は、FLT3遺伝子変異(ITDおよびD835変異)を有するAMLで、一方は新規に診断された未治療のコホート、もう一方は再発・難治性のコホートである。対象は、15-65歳で、適切な臓器機能を有し、ECOG PS 2以下であることとした。

 導入療法として、ボリノスタット500mgを1日3回、1-3日目まで経口投与し、イダルビシン12mg/m2を1日1回、4-6日目まで静脈内投与し、シタラビン1.5g/m2を1日1回、4-7日目まで持続静脈内投与した。寛解が得られた患者には、低用量の同併用療法で5サイクルの地固め療法を行い、さらにボリノスタット単剤による維持療法を最大12カ月まで行うこととした。

 AMLでFLT3遺伝子変異を有する患者39人が登録され、年齢中央値は49歳(範囲:19-64)、男性は17人(44%)、ECOG PSが2以上の患者は6人(15%)だった。未治療のコホートは26人(67%)、再発・難治性のコホートは13人(33%)となった。32人(82%)はde novo AML、7人(18%)は治療関連AMLだった。33人(85%)はFLT3-ITDのみ、4人(10%)はFLT3-ITDとD835変異の両方を有し、2人(5%)はD835変異のみだった。また17人(44%)はNPM1変異を有した。

 完全寛解[CR]と病理学的完全効果[CRp]は、未治療のコホートではそれぞれ21人(80%)と2人(8%)で得られ、これらを合わせた寛解率は88%となった。一方、再発・難治性のコホートではそれぞれ2人(15%)と2人(15%)、30%だった。導入療法から4週以内の死亡と定義した治療関連死は、未治療のコホートでは1人(4%)、再発・難治性のコホートでは2人(15%)で認められた。

 全生存期間(OS)中央値は、未治療のコホートで21.7カ月(95%信頼区間:8.1-35.3)、再発・難治性のコホートで4.9カ月(95%信頼区間:0.1-10.4)となった。無イベント生存期間(EFS)中央値は、未治療のコホートで10.8カ月(95%信頼区間:5.3-16.3)、再発・難治性のコホートで1.5カ月(95%信頼区間:1.1-1.94)だった。

 高橋氏によると、今回の知見を含むフェーズ2試験の結果から、未治療のAML患者を対象として、イダルビシンとシタラビンの併用療法とボリノスタットの追加を評価するフェーズ3のランダム化試験(SWOG:S1203)が現在進行中である。