未治療で65歳以上もしくは造血幹細胞移植が適応にならない初発多発性骨髄腫に対し、レナリドミドと低用量デキサメタゾンによるRd療法を継続的に行うことで、MPT療法(メルファラン、プレドニゾン、サリドマイド)に比べて、無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を有意に改善することが、大規模なフェーズ3試験FIRST(MM-020/IFM0701)で明らかになった。フランスHopital Claude HuriezのThierry Facon氏らが、12月7日から10まで米国ニューオーリンズで開催されている米国血液学会(ASH2013)で発表した。

 FIRST(Front-Line Investigation of REVLIMID/Dexamethasone versus StandaRd Thalidomide) 試験は、造血幹細胞移植が適応とならない初発多発性骨髄腫を対象にした多施設共同オープンラベル無作為化フェーズ3試験。

 同試験では18カ国246施設の1623人を対象に、Rd療法を1サイクル28日として病勢進行または許容できない毒性発現まで投与する群(Rd群)、Rd療法を1サイクル28日として、18サイクル(計72週)投与する群(Rd18群)、MPT療法を1サイクル42日として、12サイクル(計72週)投与する群(MPT群)の3群に1:1:1の割合で分けた。

 Rd群とRd18群ではレナリドミド25mg/日を21日間、デキサメタゾン40mgを1、8、15、22日に投与した。MPT群ではメルファラン0.25mg/kgを1-4日目に、プレドニゾン2mg/kgを1-4日目に、サリドマイド200mgを42日間投与した。

 試験はRd群とMPT群の比較を主な目的とし、主要評価項目はPFS、副次評価項目はOS、奏効率(ORR)、奏効までの期間、奏効期間(DOR)、無増悪期間(TTP)、2次治療までの期間、QOL、安全性などが設定された。

 フォローアップ期間中央値37カ月において、Rd群では121人(23%)がレナリドミド治療を継続している。72週間の治療を達成したのは、Rd群で55%、Rd18群52%、MPT群45%だった。Rd療法を2年以上続けた患者が39%であった。患者の年齢中央値は73歳(40-92歳)で、75歳以上の患者が35%を占める。ISSステージ3の患者が41%だった。

 PFS中央値は、Rd群25.5カ月、Rd18群20.7カ月、MPT群21.2カ月だった。Rd群のMPT群に対するハザード比は0.72、p=0.00006で、増悪リスクを28%低下させることが示された。Rd群のRd18群に対するハザード比は0.70、p=0.00001、Rd18群のMPT群に対するハザード比は1.03、p=0.70349であった。また3年PFS率がRd群は42%だが、Rd18群は23%、MPT群も23%となった。

 TTPもRd群で有意に改善し、中央値は32.5カ月、Rd群のMPT群に対するハザード比は0.68、p=0.00001だった。2次治療までの期間についても、Rd群の中央値は39.1カ月、Rd群のMPT群に対するハザード比は0.66、p<0.00001となった。

 またOSの中間解析では、574イベント(ITT集団の35%)での結果が報告された。4年生存率がRd群は59.4%、Rd18群は55.7%、MPT群は51.4%だった。Rd群のMPT群に対するハザード比は0.78、p=0.0168で、死亡リスクを22%低下させた。Rd群のRd18群に対するハザード比は0.90、p=0.307、Rd18群のMPT群に対するハザード比は0.88、p=0.184だった。

 ORRはRd群が75.1%、Rd18群73.4%、MPT群62.3%、DOR中央値はRd群35.0カ月だが、Rd18群22.1カ月、MPT群22.3カ月だった。奏効までの期間はそれぞれ1.8 カ月、1.8カ月、2.8カ月であった。

 グレード3/4の血液毒性は、好中球減少症がRd群27.8%、Rd18群26.5%、MPT群44.9%、血小板減少症がそれぞれ8.3%、8.0%、11.1%、貧血が18.2%、15.7%、18.9%、発熱性好中球減少症が1.1%、3.0%、2.6%であった。非血液毒性では、感染症が28.9%、21.9%、17.2%、深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症が7.9%、5.6%、5.4%、末梢神経障害が1.1%、0.4%、9.4%だった。

 2次性発癌については、血液癌がRd群で0.4%、Rd18群も0.4%、MPT群で2.2%に見られた。 固形癌はRd群2.8%、Rd18群5.4%、MPT群2.8%に認められた。

 以上の結果から、継続的なRd療法の安全性プロファイルは管理可能であり、「FIRST試験により、継続的なRd療法が、移植適応のない初発多発性骨髄腫患者における新たな標準治療であることを確立した」とした。