日常臨床においてB細胞性リンパ性腫瘍の患者の治療データを収集するドイツのTLNレジストリから、低悪性度非ホジキンリンパ腫(iNHL)患者のファーストライン治療として、ベンダムスチンとリツキシマブの併用療法(BR療法)は、R-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)と比べて予後プロファイルが不良な患者に選択的に投与されていたにもかかわらず、寛解率は同様となり、フェーズ3試験の良好な寛解のデータを裏付ける結果が示された。

 12月7日から10日まで米国ニューオリンズで開催されている第55回米国血液学会(ASH2013)で、ドイツOnkologische GemeinschaftspraxisのWolfgang Knauf氏が発表した。

 フェーズ3試験の最近のデータでは、未治療のiNHL患者に対し、BR療法はR-CHOP療法と比べて、無増悪生存期間(PFS)が優れ(STiL NHL1-2003試験)、寛解率は非劣性(STiL NHL1-2003試験とBRIGHT試験)であることが示された。ただし、臨床試験の対象は厳格に選択されている。

 ドイツのTLNレジストリは、診療所に勤務する血液専門医のネットワークにより、B細胞性リンパ性腫瘍の患者の治療に関するデータを前向きに収集する、長期的な多施設共同の実臨床レジストリである。Knauf氏らは同レジストリを用いて、日常臨床で未選択の患者におけるBR療法とR-CHOP療法の有効性を検討した。

 TLNレジストリでは、患者を5年間追跡し、患者および腫瘍の特性、共存症、すべての全身療法と奏効率、PFS、全生存期間(OS)に関する幅広いデータセットを記録している。

 2009年5月から、115施設、259人の血液専門医から、計3383人が登録された。

 947人のiNHL患者がファーストライン治療開始時に登録され、治療法の選択は、患者の同意のもと、治療担当医が行った。最も多用されたレジメンはBR療法で640人(68%)、R-CHOP療法は145人(15%)だった。BR療法は2009年以降に使用頻度が高くなり、R-CHOP療法の使用頻度は低下した。

 BR療法またはR-CHOP療法を行ったiNHL患者785人を解析対象とした。患者の53%は濾胞性リンパ腫、17%は辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫を含む)、13%はマントル細胞リンパ腫だった。年齢中央値は69歳(範囲:24-93)、男性は52%、Ann Arbor分類のIV期が53%を占めた。患者の24%にB症状を認め、24%は腫瘍量が大きく、63%が1つ以上の共存症を有していた。

 臨床的および腫瘍の特性は、BR療法とR-CHOP療法を受けた患者で異なった。BR療法を受けた患者は、R-CHOP療法を受けた患者と比べて、年齢が高く(67歳 vs 62歳、p<0.001)、IV期の患者が多く(56% vs 41%、p=0.021)、共存症を有する割合が高かった(65% vs 55%、p=0.022)。一方、R-CHOP療法を受けた患者は、BR療法を受けた患者と比べて、濾胞性リンパ腫が多く(72% vs 49%、p<0.001)、腫瘍量が大きかった(36% vs 21%、p<0.001)。

 各施設で評価した寛解率は、2つのレジメンの間で同様だった(p=0.817)。ファーストライン治療で寛解が得られた患者は、BR療法では90%(未確定完全寛解[CRu]39%、部分寛解[PR]51%)、R-CHOP療法では93%(CRu 41%、PR52%)だった。平均でBR療法は5サイクル、R-CHOP療法は6サイクルが行われ、リツキシマブはどちらのレジメンでも平均6サイクル投与された。

 単変量解析では、「若年」「男性」「濾胞性リンパ腫」「共存症なし」が、ファーストラインのレジメンに対する寛解と有意に相関した。治療開始時のファーストライン治療のレジメンと年齢を調整した多変量ロジスティクス回帰解析では、寛解は高齢者で少なく(オッズ比0.96、p=0.015)、ファーストライン治療のレジメンの種類は影響しなかった(オッズ比1.28、p=0.537)。

 追跡期間中央値22カ月(最大51カ月)では、BR療法を受けた患者の92%が生存中で、89%で増悪を認めず、8%がセカンドライン治療を受けた。R-CHOP療法を受けた患者では、それぞれ91%、90%、10%だった。追跡の受診を受けなかったのは全体の5%だった。

 Knauf氏は「今回の日常臨床における結果は、STiL NHL-1-2003試験とBRIGHT試験のデータを裏付けるもの」と結論した。