PI3キナーゼとPLK1経路を阻害する経口剤rigosertibが輸血依存性低リスク骨髄異形成症候群(MDS)に有効である可能性が明らかとなった。無作為化フェーズ2試験で輸血依存性患者を減らすことが示されたもの。またゲノムのメチル化状態と効果に関連があることも見出された。成果は12月7日から10日までニューオリンズで開催されている米国血液学会(ASH2013)で、米Columbia University Medical CenterのAzra Raza氏によって発表された。

 フェーズ2試験は輸血依存性(無作為化前の8週間で少なくとも4単位の赤血球投与を受けた患者)の低リスクMDS患者を対象にした2アーム試験で、rigosertib 560mgの1日2回投与を連続して行う群と3週のうち2週を投与する間欠投与群の2群に分けて行われた。

 2013年11月5日までに60人の患者が登録された。継続投与は、9人の患者に投与された段階で高度な尿毒性があることが判明して中止となり、51人が間欠投与を受けた。赤血球増殖刺激因子(ESA)の試験中の使用は認められていた。

 60人の年齢中央値は74歳(54-86)、男性が41人、MDSと診断されてからの期間の中央値は2年(0-12)。レナリドミドの投与経験のある患者が20人いた。

 560mg間欠投与を受け少なくとも8週連続の投与が行われた36人のうち、14人で輸血依存状態の解消が認められた。ITT解析で評価可能だった44人中16人(36%)で輸血依存性が解消された。ESAの前投与のある患者37人のうち15人(41%)で輸血依存性が解消された。ESAの前投与がない患者7人中1人(14%)で輸血依存性が解消された。rigosertibを単剤で投与した患者でもESAと併用した患者でも、輸血依存性の解消が認められた。

 副作用としての尿毒性は、rigosertib 560mgの1日2回投与連続群で9人中グレード3が2人、グレード2が4人で発現した(グレード2以上の発生率は67%)。3週のうち2週でrigosertib 560mgの1日2回投与群では、尿毒性は35人中グレード3が4人、グレード2が15人で発現した(グレード2以上の発生率は54%)。1日の投与量を840mg(午前に560mg、午後に280mg)とした13人では尿毒性は改善され、投与期間中央値6週(1-12)でグレード2の毒性が1人だけだった(グレード2以上の発生率は8%)。

 グレード3以上の他の薬剤関連副作用は少なく、好中球減少症が3人、白血球減少症が1人、低ナトリウム血症が1人、膀胱移行上皮癌が1人だった

 核型や他の分類で効果と明らかに関連するものはなかった。そこで、研究グループはDNAのメチル化プロファイルが効果のあった患者となかった患者の差に関係する可能性を検討した。治療前の骨髄単核球を得て、Illumina 450K methylation array platformで解析した。

 完全奏効患者と無効患者でメチル化の程度が異なる遺伝子の機能のアノテーションを行った結果、メチル化によって最も影響を受けていた遺伝子は転写の調節に関連するもので、細胞間接着、炎症反応、アポトーシス、増殖に関連する遺伝子もあった。