新規経口プロテアソーム阻害薬MLN9708は、ボルテゾミブ未治療または6サイクル未満の再発・難治性の多発性骨髄腫(MM)において、安全で、単剤でも有効であることが示された。フェーズ2試験から明らかになったもので、デキサメタゾンを加えることで、奏効率は34%に達した。12月7日から10日まで米国ニューオリンズで開催されている第55回米国血液学会で、米国Mayo ClinicのShaji K Kumar氏が発表した。

 骨髄腫の治療において、プロテアソーム阻害薬は、免疫調節薬(IMiDs)とともに、重要な役割を担っている。IMiDsが経口投与可能であるのに対して、現在、用いることのできるプロテアソーム阻害薬は非経口投与であり、利便性の点で、経口薬の登場が期待されていた。

 MLN9708は、経口投与可能な新規プロテアソーム阻害薬で、単剤で再発MMにおける活性、レナリドミドとの併用で新規MMにおける有効性が示されている。Kumar氏らは今回、ボルテゾミブ未治療あるいは6サイクル未満の再発・難治性のMM患者を対象に、MLN9708の有効性と安全性を検討するフェーズ2試験を行った。

 主な登録基準は、ECOG PSが0-2、肝機能・腎機能および血液学的機能正常、既治療MM、プロテアーゼ阻害剤未治療またはボルテゾミブを含むレジメンでの治療が6サイクル未満、M蛋白が定量可能(血清M蛋白≧1g/dLまたは尿中M蛋白≧200mg/24時間)。除外基準は、グレード3以上またはグレード2で痛みを伴う末梢神経障害、ボルテゾミブ以外のプロテアソーム阻害薬既治療とした。

 MLN9708(5.5mg)は28日を1サイクルとして第1、8、15日に投与した。2サイクルまでに小効果(MR)または4サイクルまでに部分寛解(PR)を得た患者は病勢進行(PD)まで治療を継続し、これを達成できなかった効果不十分の患者に対しては、デキサメタゾン(40mg)を週1回投与し、PDまで治療を行った。

 2012年1月から10月までに33例が登録され、不適格とみなされた1例を除く32例について、2013年11月に解析を行った。平均年齢69(52-82)歳、17例(53%)が男性で、診断からの期間中央値は57.6カ月(14〜147カ月)前治療数中央値は2(1-7)レジメン。前治療はIMiDs 28例(87.5%)、ボルテゾミブ9例(28%)、幹細胞移植が19例(60%)だった。

 追跡期間中央値7カ月において、無病勢進行は19例(59.0%)で、28例(87.5%)が生存していた。12例(37.5%)が治療継続中で、治療中止の理由はPD11例、治療拒否5例、有害事象3例、その他1例だった。治療サイクル中央値は12(4-16.5)、減量を要した患者は12例(37.5%)。デキサメタゾン投与を要した患者は20例(63%)で、16例は効果不十分、4例がPDによるものだった。

 主な有害事象は、血小板減少、疲労、吐き気、下痢だった。グレード1/2の末梢神経障害が40%弱の患者に認められた。グレード4の有害事象が認められたのは、血小板減少約10%、リンパ球減少約3%だった。

 MLN9708は単剤による治療で、4サイクルまでに1例が厳密な完全寛解(sCR)、1例が完全寛解(CR)、3例がPRとなり、奏効率は16%だった。また単剤でMRだった2例、病勢安定化(SD)だった4例が、デキサメタゾン導入後にPRを達成し、併用での奏効率は34%に達した。無増悪生存期間中央値は約11カ月、18カ月生存率は約90%だった。

 Kumar氏は、「MLN9708が単剤でも有効、安全で、経口投与可能な便利な薬剤であることが示された。デキサメタゾンを併用することで、奏効率が34%に達したことから、現在、MLN9708の4mg、5.5mgとデキサメタゾン併用の効果と安全性を検討するランダム化フェーズ2試験を行っている」と述べた。