未治療のびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)で、標準的治療のR-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)に不適格とされた高齢の患者に対し、ベンダムスチンとリツキシマブの併用療法(BR療法)は高い寛解率を示すことが、多施設共同のフェーズ2試験から示された。12月7日から10日まで米国ニューオリンズで開催されている第55回米国血液学会(ASH2013)で、米国Lineberger Comprehensive Cancer CenterのSteven I. Park氏が発表した。

 低悪性度B細胞リンパ腫に対するファーストライン治療として、BR療法はR-CHOP療法に優越性は示していないが、同様の有効性と良好な安全性のプロファイルを有する。また、ベンダムスチン120mg/m2とリツキシマブ375mg/m2の併用療法は、再発・難治性中悪性度B細胞性リンパ腫の高齢の患者においても、高い寛解率と受容可能な毒性が認められている。

 標準的治療が確立されていない、アントラサイクリン系抗癌剤に不適格または非常に高齢のDLBCL患者に対し、ファーストライン治療としてのBR療法の臨床的な評価が必要である。

 Park氏らは、未治療のDLBCLで高齢の患者を対象として、BR療法の完全寛解(CR)率を判定することを主要目的として、単群のフェーズ2試験を実施した。同試験は日本の報告をもとに計画され、より全身状態が不良な患者も対象に含めて実施された。

 対象は、未治療のII期からIV期のDLBCLで、65歳以上、治療担当医がR-CHOP療法に不適格と判断した患者で、UNC Cancer Networkを通して登録された。

 治療は、21日を1サイクルとして、ベンダムスチン120mg/m2を1日目と2日目に、リツキシマブ375mg/m2を1日目に投与し、3サイクル施行した。寛解を評価し、部分寛解(PR)が得られた場合は3-5サイクル、CRが得られた場合は3サイクルを追加することとした。PR未満の患者はプロトコールから脱落とした。

 ベンダムスチンの用量は、ベースラインのECOG PSが3の患者では90mg/m2とすることを許可し、BR療法を3サイクル施行後にECOG PSが2以下に改善した場合は120mg/mg2に増量することとした。また、初回受診時の機能的状態が不良な患者では、プレドニゾン100mg/日を5日間投与する前治療としてのステロイド療法を許可した。

 23人が登録され、ベースライン時に患者の83%はIII期またはIV期で、年齢中央値は80歳(範囲:65-89)、12人は80歳以上だった。患者の78%は国際予後指標(IPI)のスコアが3以上だった。また患者の52%は治療前のECOG PSが2以上で機能的状態が不良であり、このうち6人はECOG PSが3だった。

 評価可能だった15人の寛解率は93%、CRは60%となった。無増悪生存期間(PFS)中央値は5.27カ月(95%信頼区間:3.57-6.77)だった。

 全対象の全生存期間(OS)中央値は9.9カ月(95%信頼区間:3.6-10.9)となった。OS中央値は、ECOG PS 0-1の患者では10.4カ月(95%信頼区間:4.50-未到達)だったのに対し、ECOG PS 2以上の患者では3.57カ月(95%信頼区間:1.43-6.03)だった。12カ月時の全生存率は25%(95%信頼区間:8.2-46.9)だった(p=0.016)。高齢で脆弱な対象では、有望な生存率は見込めない結果となった。

 患者の10%超に認めたグレード3または4の有害事象は、貧血(27%)、好中球減少(18%)、リンパ球減少(68%)、血小板減少(18%)、疲労感(14%)だった。グレード5の治療に関連する有害事象が4人で報告され、このうち2人は肺炎、2人は食欲不振だった。また、4人で治療中または治療後の増悪による死亡が報告された。他の原因で6人が死亡し、脳血管傷害、うっ血性心不全、股関節骨折などが含まれ、これらは共存症に関連するものと考えられた。

 Park氏らは、「BR療法は、ECOG PSが良好な患者では高い有効性が示された。ただし、機能的状態が不良な高齢のDLBCL患者を対象とする今後の臨床試験では、BR療法で特に120mg/m2でベンダムスチンを用いる場合、慎重に行う必要がある」としている。