ダサチニブの有効性と忍容性が、市販後全例調査の中間解析の結果示された。12月7日から10日までニューオリンズで開催されている米国血液学会(ASH2013)で、東京大学医学部附属病院血液・腫瘍内科の南谷泰仁氏によって発表された。

 ダサチニブは2009年1月に、イマチニブによる治療が不良となった慢性骨髄性白血病(CML)と再発または難治性のフィラディルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(ALL)に対して承認された。全例調査は日本人における日常臨床での副作用プロファイルの確認、未知の副作用の有無、安全性と有効性に関連した探索的因子の解析が目的。今回の中間報告は、2013年9月30日までの、国内372施設894人のデータを基に行われた。

 894人のうちCMLの慢性期(CP)が382人、移行期(AP)が75人、急性転化期(BC)が129人、ALLが302人だった。3年治療継続率は、CPが49%、APが26%、BCが7%、ALLが12%と、CPで高かった。

 また、CPでは、他の病期よりも観察期間が長いにも関わらず副作用は一般的に少なかった。CPの観察期間中央値が843日、APが447日、BCが95日、ALLが123日で、血小板減少症の発現はCPが40%、APが61%、BCが54%、ALLが51%、貧血の発現はCPが31%、APが53%、BCが43%、ALLが42%などだった。

 骨髄抑制/血球減少(523人)、出血(105人)、循環器イベントと心電図異常(54人)、肝胆汁性の異常(173人)、間質性肺炎(32人)の最初の発現はほとんどが早期に起きていたが、体液うっ滞(376人)だけは累積発生率が1年目42%、2年目50%、3年目57%と、後になっても発現する例がある程度存在することが分かった。

 CPの3年全生存(OS)率は94%、3年無増悪生存(PFS)率は92%、APの3年OS率は60%、3年PFS率は45%、BCの3年OS率は20%、3年PFS率は12%、ALLの3年OS率は36%、3年PFS率は28%だった。

 3カ月時点で細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)となった患者とならなかった患者のPFSとOSを比較したところ、CP(CCyRになったのが75人、ならなかったのが264人)では、PFSはCCyRになった患者で有意に良かった(p=0.032)がOSには差がなかった(p=0.380)。AP(CCyRになったのが9人、ならなかったのが64人)では、PFSがp=0.066、OSがp=0.279でCCyRになった患者で良い傾向があった。BC(CCyRになったのが22人、ならなかったのが101人)では、PFSがp<0.01、OSがp=0.005と有意にCCyRになった患者で良かった。ALL(CCyRになったのが109人、ならなかったのが186人)でもPFSがp<0.001、OSがp<0.001と有意にCCyRになった患者で良かった。

 胸水の発現と効果の関係を調べたところ、発現した患者の方が非発現患者よりも効果が高かった。CPでは胸水発現患者119人のCCyR率は50%、非発現患者263人では38%だった(p=0.044)。APでは胸水発現患者25人のCCyR率は40%、非発現患者50人では22%だった(p=0.112)。BCでは胸水発現患者44人のCCyR率は39%、非発現患者85人では16%だった(p=0.008)。ALLでは胸水発現患者101人のCCyR率は57%、非発現患者201人では41%だった(p=0.007)。