未治療で腫瘍量が多い低悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL)患者に対し、リツキシマブとボルテゾミブの併用療法は忍容性が良好で、寛解率は過去に報告されたリツキシマブと細胞傷害性薬剤の併用療法よりも低いものの、濾胞性リンパ腫(FL)ではFL以外の患者と比べて全生存率(OS)が優れることが、多施設共同、前向きのフェーズ2試験から示された。12月7日から10日まで米国ニューオリンズで開催されている第55回米国血液学会(ASH2013)で、米国Tufts Medical Center and Tufts University School of MedicineのAndrew M. Evens氏が発表した。

 未治療で腫瘍量が多い低悪性度NHL患者に対する標準的治療には、リツキシマブと細胞傷害性薬剤との併用療法が含まれる。一方で、細胞傷害性薬剤以外の選択肢を検討した前向きのデータは不足している。

 そのためEvens氏らは、ファーストライン治療としてのリツキシマブとボルテゾミブの併用療法は、腫瘍量が多い低悪性度NHL患者に良好な忍容性があり、有効であるとの仮説を立て、これを検証する前向きのフェーズ2試験を実施した。

 対象は、未治療の低悪性度NHLで、Group D'Etude des Lymphomes Folliculaires(GELF)の基準で定義した、腫瘍量が多い患者とした。

 導入療法の1サイクル目には、35日を1サイクルとして、ボルテゾミブ1.6 mg/m2とリツキシマブ375mg/m2を1、8、15、22日目に投与した。導入療法の2、3サイクル目には、ボルテゾミブ1.6mg/m2を1、8、15、22日目に、リツキシマブ375mg/m2を1日目に投与した。維持療法では、両剤を同量で2カ月毎に投与し、4サイクル施行した。主要評価項目は、導入療法を3サイクル施行後の寛解率だった。寛解の評価にはCTを用い、1999年に発表されたInternational Working Group response criteriaで判定した。

 42人が登録され、全例で毒性と有効性を評価した。患者の年齢中央値は61歳(範囲:40-86)、21%が70歳を超えていた。組織型は、FL33人(79%)、辺縁帯リンパ腫(MZL)5人(12%)、小リンパ球性リンパ腫(SLL)3人(7%)、Waldenstromsマクログロブリン血症1人(2%)だった。III期は24%、IV期は67%だった。悪性の腹水または胸水を19%に認めた。濾胞性リンパ腫国際予後指標(FLIPI)の中央値は3で、57%が高危険群だった。

 導入療法を1サイクル施行後に全例で腫瘍の縮小を認め、寛解率は33%、安定状態(SD)が得られた患者は67%だった。

 主要評価項目である導入療法を3サイクル施行後の寛解率は、全例では71%、完全寛解(CR)率は24%となり、FL患者ではそれぞれ72%と23%だった。治療終了時の寛解率とCR率は、全例ではそれぞれ71%と39%、FL患者では76%と44%だった。寛解率は、過去に報告されたリツキシマブと細胞傷害性薬剤との併用療法よりも低かった。

 追跡期間中央値50カ月において、全例の4年時の無増悪生存率(PFS)とOSはそれぞれ44%と87%となった。4年時のOSは、FL患者では97%、FL以外の患者では43%となり、FL患者で有意に延長した(p=0.003)。PFSはFL患者とFL以外の患者で差はなかった。

 有害事象の多くは導入療法施行中に発現した。グレード3の有害事象は、発熱、infusion reaction、感染症、心疾患、疲労感が各5%に発現し、下痢、低カリウム血症、腸閉塞が各2%に発現した。グレード4の有害事象は、好中球減少(5%)と血小板減少(2%)のみだった。3人は導入療法を1サイクル施行後に試験から脱落し、グレード3の下痢、疲労感、心疾患(治療とは関連しないうっ血性心不全とみられた)だった。

 単変量解析では、FLIPIがFL患者のPFSを予測する傾向を認め(ハザード比1.48[95%信頼区間:0.95-2.32]、p=0.08)、OSも同様だった(ハザード比3.34[95%信頼区間:0.89-12.56]、p=0.08)。さらにFL患者では、FL以外の患者と比べて死亡のリスクが有意に低下した(OSのハザード比0.07[95%信頼区間:0.01-0.70]、p=0.02)。組織型以外に生存に関する予測因子はなかった。

 Evens氏は「細胞傷害性薬剤を用いなくても長期生存を達成しうる未治療の腫瘍量が多い低悪性度NHL患者を明確にし、FLのファーストライン治療に新規薬剤を導入する継続的な戦略が必要である」とした。