再発・難治性の多発性骨髄腫(MM)および非ホジキンリンパ腫(NHL)に対するBED療法(strong>ベンダムスチン、エトポシド、デキサメタゾン)後の末梢血幹細胞(PBSC)動員について検討した第2相試験から、同レジメンは安全で忍容性があり、適格基準を満たした患者全例でCD34陽性細胞の動員に成功したことが報告された。12月8日から11日まで米国アトランタで開催された第54回米国血液学会で、米国Fred Hutchinson Cancer Research CenterのDamian J. Green氏が発表した。

 前治療に交差耐性がない化学療法薬は、PBSCの採取を容易にし、自家幹細胞移植(ASCT)施行前の強力で直接的な抗腫瘍効果により、患者の転帰を改善する可能性がある。

 同試験の対象は、再発・難治性のMMまたはNHLでASCTの候補となる患者。骨髄毒性を持つレジメンは3レジメン以下、レナリドミドの投与は5サイクル以下で受けているなどを組み入れ基準に含めた。主要目的は、ベンダムスチンと顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、デキサメタゾンを併用し、PBSCの動員が成功する頻度を推定することだった。採取したCD34陽性細胞数が2×106/kg(レシピエントの体重)以上であれば成功とした。 

 患者にはBED療法として、ベンダムスチン120mg/m2を1日目と2日目に、エトポシド200mg/m2を1-3日目まで、デキサメタゾン40mgを1-4日目まで、それぞれ投与した。G-CSF(フィルグラスチム)10mcg/kg/日以上を5日目からPBSC採取終了時まで投与した。末梢血中のCD34陽性細胞数が5/μLを超えた時点でアフェレーシスを開始した。
 
 対象は21人(年齢中央値59歳、男性67%)で、疾患の内訳はMMが18人、B細胞性NHLが3人、NK/T細胞リンパ腫が1人だった。前治療のレジメン数の平均は1.4でサイクル数は5.6だった。

 結果として、21人全例でPBSCの動員に成功した。採取されたCD34陽性細胞数の中央値は19.43×106/kg(平均22.7×106/kg)となった。MM患者では全例で10×106/kgを超える数が採取され、タンデムASCTに十分な数が得られた。これまでそのうち12人にASCTが施行され、100%で生着が得られている。BED療法が血小板や好中球の生着を妨げることはなかった。
 
 採取までの期間の中央値は12日(平均11.6日)で、患者の88%で10-12日目にアフェレーシスが開始された。このうち1人は幹細胞移植時造血幹細胞促進剤のplerixaforが20日目に投与され評価不能と考えられた(2日をかけて7×106/kgが採取された)。また2人はG-CSFを16mcg/kg/日に増量した。
 
 アフェレーシスの日数の中央値は1日(平均1.4日)だった。また奏効の評価が可能だった17人では、部分奏効以上の効果が得られた患者は3人(18%)だった。
 
 当初、プロトコールのデザインはBDG療法(ベンダムスチン、デキサメタゾン、G-CSF)だったが、最初の3人を登録後にレジメンを改訂し、エトポシドを含めることとした。BDG療法では白血球の最低値と回復パターンの予測が難しかったためだ。この3人については解析を中止したが、3人とも動員と採取は成功した。
 
 有害事象は予測された通り、グレード3または4の血小板減少が21件、リンパ球減少が21件、好中球減少が20件発現した。またグレード3のAST値上昇とビリルビン値の上昇を1人に認めた。重篤な有害事象(SAE)は3人に4件発生し、内訳は感染症、腫瘍崩壊症候群、低血圧、腎不全で、これらは治療と関連すると考えられた。このうち1人は動員にplerixaforの投与を要した患者で、疾患の進行のため死亡した。その他のSAEとして脳血管障害と骨痛が各1件発現したが、化学療法とは関連しないと考えられた。

 Green氏は「BED療法後のPBSC動員は、忍容性が良好で有効であり、血小板や好中球の生着を妨げることなく短期間に全例で成功した。今後更に検討すべきと考える」とした。