未治療初発進行期低悪性度(indolent)非ホジキンリンパ腫(NHL)またはマントル細胞リンパ腫(MCL)の患者に対するベンダムスチンリツキシマブの併用療法(BR療法)は、主要評価項目の完全奏効率(CR)で標準的治療のR-CHOP療法とR-CVP療法に非劣性を示したことが、第3相のBRIGHT試験から明らかになった。12月8日から11日まで米国アトランタで開催された第54回米国血液学会で、米国Sarah Cannon Research InstituteのIan W. Flinn氏が発表した。

 低悪性度NHLまたはMCLに対する標準治療は確立されていない。今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO2012)で発表されたドイツのStiL NHL 1試験では、ファーストライン治療として、BR療法がR-CHOP療法と比べてCRと無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したことが示された。

 Flinn氏らは、未治療初発進行期リンパ腫の治療として、BR療法と、R-CHOP(リツキシマブ+シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾン)/R-CVP療法(リツキシマブ+シクロホスファミド+ビンクリスチン+プレドニゾン)を比較した。

 対象はCD20陽性の未治療初発進行期低悪性度NHLまたはMCLの患者で、中枢神経系転移等を有する患者、形質転換例、SLL、濾胞性リンパ腫グレード3などは除外した。患者をBR療法またはR-CHOP療法群、BR療法またはR-CVP療法群の2群に分け、BR療法とR-CHOP療法またはR-CVP療法にランダム割り付けした。BR療法は28日を1サイクルとして、ベンダムスチン90mg/m2/日を1日目と2日目に、リツキシマブ375mg/m2を1日目に投与し、R-CHOP/R-CVP療法は21日を1サイクルとする標準的な投与として、それぞれ6サイクル(試験責任医師の判断により8サイクルまで)投与した。追跡期間は5年間。

 同試験は2009年4月から開始され、その主要目的はBR療法をR-CHOP/R-CVP療法と比較し、CRで非劣性を検証することだった。非劣性マージンはM1を0.78、M2を0.88とした。主要評価項目はCR、副次的評価項目は奏効率、安全性、QOL、time-to-eventだった(今回は2012年6月時点のカットオフデータで、Time-to-eventは報告されなかった)。独立判定委員会(IRC)による主要解析は、悪性リンパ腫に対する国際ワーキンググループの2007年のrevised response criteriaを用いて判定した。
 
 447人がランダム化され、BR群224人、R-CHOP/R-CVP群223人となった。このうち安全性評価の対象は436人(BR群221人、R-CHOP/R-CVP群215人)、有効性評価の対象は419人(同213人、206人)となった。
 
 BR群とR-CHOP/R-CVP群の患者背景はバランスがとれており、年齢中央値はそれぞれ60歳(28-84歳)と58歳(25-86歳)、男性の割合は61%と59%、低悪性度NHLの割合は両群ともに83%、Ann Arbor分類でIII-IV期の割合はともに90%だった。

 投与サイクル数は、BR群で6.1サイクルと6.2、R-CHOP群で6.5、R-CVP群で6.3であり、投与期間は、BR群で32%と37%、R-CHOP群で28%、R-CVP群で12%の患者で延期され、用量は、BR群で19%と25%、R-CHOP群で27%、R-CVP群で31%の患者で減量された。

 主要評価項目のCR(IRC評価)は、BR群31%、R-CHOP/R-CVP群25%で、ハザード比1.26(95%信頼区間:0.93-1.73)となり(p=0.0225)、BR群のR-CHOP/R-CVP群に対する非劣性が示された。

 リンパ腫のタイプ別では、低悪性度NHLのCRはハザード比1.16でBR群とR-CHOP/R-CVP群に有意差は示さなかったが(p=0.129)、MCLのCRはハザード比1.95で、非劣性(p=0.017)に加えて優越性も示された(p=0.018)。

 奏効率はBR群97%、R-CHOP/R-CVP群91%で、高い奏効率が認められ、有意差は認められなかった。Time-to-eventのデータは今後発表の予定。

 両群間には毒性プロファイルに違いがみられた。BR群で多く発現した有害事象は、悪心、嘔吐、薬剤過敏症、感染症、皮疹で、R-CHOP/R-CVP群で多く発現した有害事象は、便秘、錯感覚、末梢性感覚ニューロパチー、末梢神経障害、脱毛だった。さらにR-CHOP群では発熱性好中球減少症も多かった。
 
 グレード3以上の非血液毒性では、BR群(103人)とR-CHOP群(98人)の比較として、BR群で多かったのが、嘔吐(5%対0%)、薬剤過敏症(3%対0%)、感染症(12%対5%)、肺炎(2%対0%)、呼吸/胸部疾患(7%対2%)であり、R-CHOP群で多かったのが、便秘(1%対0%)、末梢神経障害(2%対0%)だった。BR群(118人)とR-CVP群(116人)の比較として、BR群で多かったのが、嘔吐(2%対0%)、薬剤過敏症(2%対0%)、肺炎(4%対1%未満)、呼吸/胸部疾患(7%対2%)であり、R-CVP群で多かったのが、便秘(2%対0%)、末梢神経障害(いずれも1%未満)だった。
 
 グレード3以上の血液毒性では、BR群とR-CHOP群との比較として、BR群で多かったのは、リンパ球減少(61%対33%)で、R-CHOP群で多かったのは、白血球減少(72%対32%)、好中球減少(86%対39%)だった。BR群とR-CVP群の比較として、BR群で多かったのは、リンパ球減少(63%対28%)で、R-CVP群で多かったのは、好中球減少(56%対49%)だった。
 
 両群間には支持療法にも違いがみられ、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)は、BR群の27%、R-CHOP群の61%に投与された。

 以上の結果より、未治療初発進行期低悪性度NHLまたはMCLに対するベンダムスチンとリツキシマブの併用療法は、主要評価項目のCRにおいて、主要目的であるR-CHOP/R-CVP療法に対する非劣性を示した、と結語した。