European Mantle Cell Lymphoma networkによるMCL Younger試験では、マントル細胞リンパ腫(MCL)に対し、R-CHOP療法とR-DHAP療法を各3サイクル施行後、高用量のAra-Cを含む骨髄破壊的レジメンを投与し、自家幹細胞移植(ASCT)を行う方法を検討した。同試験の最終結果から、R-CHOP療法を6サイクル施行後にASCTを行う場合と比べて、治療成功期間(TTF)と完全奏効率(CR)が有意に改善し、全生存期間(OS)も良好な傾向で、安全性プロファイルも良好なことがわかった。12月8日から11日まで米国アトランタで開催された第54回米国血液学会で、フランスUniversity of ParisのOlivier Hermine氏が発表した。

 Hermine氏らは、MCL younger試験の予備的な結果を2年前に報告した。R-CHOP/R-DHAP群では、R-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)とR-DHAP療法(リツキシマブ、デキサメタゾン、Ara-C、シスプラチン)を各3サイクル施行後、幹細胞を動員し、高用量のAra-Cを含む骨髄破壊的レジメン(全身照射10Gray、Ara-C 4×1.5g/m2、メルファラン140mg/m2)を投与し、末梢血幹細胞移植(PBSCT)を行った。R-CHOP群では、R-CHOP療法を6サイクル施行後、幹細胞を動員し、骨髄破壊的レジメン(全身照射12Gray、シクロホスファミド120mg/kg)を投与し、PBSCTを行った。

 対象は、Ann Arbor分類のII-IV期のMCLで、65歳未満、ECOG PSは3未満であることとした。主要評価項目はTTF、副次的評価項目は奏効率、OS、毒性だった。

 その結果、追跡期間中央値27カ月でのTTFは、R-CHOP群49カ月、R-CHOP/R-DHAP群未到達となり、ハザード比は0.68で、R-CHOP/R-DHAP群で有意に延長した(p=0.0384)。ただし、OSには差はなかった。
 
 今回は長期追跡の結果が発表された。最終解析は2012年9月に行われた。2004年7月から2010年5月までに4カ国(ドイツ、フランス、ポーランド、ベルギー)から登録された497人がランダム化され、このうち465人(R-CHOP群233人、R-CHOP/R-DHAP群232人)が評価可能だった。
 
 R-CHOP群とR-CHOP/R-DHAP群の年齢中央値は54歳と56歳、男性の割合は両群ともに79%、Ann Arbor分類でIV期の患者は82%と81%だった。B症状を有する患者の割合には有意差がみられ、43%と31%でR-CHOP群で多かった(p=0.01)。マントル細胞リンパ腫国際予後指標(MIPI)で高リスクの患者は15%と13%だった。

 導入療法施行後の奏効率は、R-CHOP群90%、R-CHOP/R-DHAP群95%となり、両群に差はなかったが(p=0.11)、CRはそれぞれ25%と36%、未確定完全奏効(CRu)またはCRは39%と55%となり、R-CHOP/R-DHAP群で有意に高かった(それぞれp=0.0077、p=0.0013)。

 ASCTはR-CHOP群の83%、R-CHOP/R-DHAP群の80%で行われ、移植後の奏効率は両群ともに高く、97%と98%となった。
 
 主要評価項目であるTTFは、追跡期間中央値53カ月において、R-CHOP群46カ月、R-CHOP/R-DHAP群88カ月となり、ハザード比は0.68で、R-CHOP/R-DHAP群で有意に延長した(p=0.0382)。TTFに関するイベントは、奏効が得られた後の再発が最も多く、それぞれ88人と44人に発生した。TTFではMIPIスコアによる治療効果の差はなかった。微小残存病変(MRD)陰性率の増加に関連してTTFは有意に延長した。

 導入療法施行中、グレード3または4の白血球減少、好中球減少、貧血、血小板減少は、R-CHOP療法群と比べてR-CHOP/R-DHAP群で有意に多く発現した(いずれもp<0.001)。発熱性好中球減少(p=0.025)、クレアチニン値上昇(p<0.001)、悪心・嘔吐(<0.001)なども、R-CHOP/R-DHAP群で有意に多く発現した。

 追跡期間中央値54カ月でのOS中央値は、両群ともに未到達で、R-CHOP/R-DHAP群で改善がみられる傾向にあった(p=0.0485)。
 
 Hermine氏は「高用量Ara-Cを含むレジメンは新たな標準治療となるべき」とした。