再発・難治性のaggressive非ホジキンリンパ腫に対し、自家幹細胞移植(ASCT)前の化学療法として、ゲムシタビン、デキサメタゾン、シスプラチンの併用(GDP療法)は、標準治療であるデキサメタゾン、シタラビン、シスプラチンの併用(DHAP療法)に対し、非劣性を示すことが無作為化フェーズ3試験(NCIC CTG Study LY12)の最終結果で明らかになった。またGDP療法はDHAP療法よりも毒性が低いことも示された。カナダPrincess Margaret HospitalのMichael Crump氏らの研究グループが、米国アトランタで12月8日から開催された第54回米国血液学会(ASH2012)で発表した。

 同グループはフェーズ2試験で、GDP療法の奏効率は50%、外来患者において忍容性があり、末梢血幹細胞(PBSC)を動員することを確認している。

 このフェーズ3試験は、DHAP療法に対するGDP療法の非劣性を検証することを目的に行われた。さらに非劣性が認められた場合、PBSC動員ができ、移植が実施できた患者の割合をDHAP療法とGDP療法で比較検討した。主要評価項目は奏効率と移植割合、副次評価項目は無イベント生存期間(EFS)、全生存期間(OS)、有害事象、QOLと設定した。

 対象は、B細胞性もしくはT細胞性のaggressive非ホジキンリンパ腫で、アントラサイクリン系抗癌剤を含む前治療後に再発あるいは増悪した患者とした。患者はGDP療法を受ける群と、DHAP療法を受ける群に無作為に分けられた。

 GDP療法群では、ゲムシタビン1000 mg/m2を1日目と8日目に、デキサメタゾン40 mgを1-4日目に、シスプラチン75 mg/m2を1日目に投与した。DHAP療法群では、デキサメタゾン40 mgを1-4日目に、シタラビンは2日目に2g/m2を12時間毎に2回、シスプラチン100 mg/m2/24時間を1日目に投与した。これらを2-3サイクル行った後に、CRもしくはPRの場合はPBSCを採取してASCTを行った。

 試験は2003年8月に開始された。2005年11月にプロトコールが変更され、CD20陽性リンパ腫患者に、GDP療法もしくはDHAP療法に加え、リツキシマブ375mg/m2を1日目に投与した。

 2011年10月までにカナダ、イタリア、オーストラリア、米国の52施設619人が登録した。GDP療法群が310人、DHAP療法群が309人(ITT解析集団)、条件を満たし実際に治療を受けたのはそれぞれ303人、302人(Per Protocol解析集団)だった。

 患者の年齢中央値は55歳、リツキシマブ前治療歴のある患者は両群とも67%で、そのほか2群の患者背景はほぼ同じだった。

 この結果、ITT解析集団で、GDP療法群の奏効率は45.2%、DHAP療法群は44.0%だった。95.6%信頼区間の上限は奏効率の差が5.67%と設定されており、GDP療法群のDHAP療法群に対する非劣性は示された(p=0.005)。またPer Protocol解析集団ではGDP療法群の奏効率は46.2%、DHAP療法群は44.7%であり、これも非劣性が示されている(p=0.004)。

 移植割合は、Per Protocol解析集団で、GDP療法群が51.8%、DHAP療法群は49.3%とほぼ同じだった(p=0.49)。幹細胞動員は、GDP療法群が87.9%、DHAP療法群では82.2%で行われた(p=0.14)。

 追跡期間中央値53カ月で、ITT解析集団における4生存率はGDP療法群が39%、DHAP療法群も39%(ハザード比1.03、p=0.78)、4年EFS率はそれぞれ25.6%、26.1%(ハザード比0.99、p=0.95)だった。

 グレード3/4の有害事象はGDP療法群が47%で、DHAP療法群の61%に比べて有意に少なかった(p=0.0003)。発熱性好中球減少はそれぞれ9%、23%(p<0.0001)、最初の2サイクルにおける血小板輸血は18%、32%(p<0.0001)だった。また有害事象や病気による入院は18%、30%(p=0.0005)であった。

 QOLはFACT-G (Functional Assessment of Cancer Therapy-General)、FACT-CNS(FACT-Central Nervous System)、FACT-LYM(FACT-Lymphoma)を用いて、ベースライン、1サイクル終了時、2サイクルの中間、2サイクル終了時、移植後1カ月目に評価された。

 この結果、両群ともベースラインに比べスコアは改善傾向を示した。FACT-Gの全般QOLのスコアはベースラインに比べて2サイクルの中間では、改善した患者がGDP療法群が18%、DHAP療法群が11%であり、安定の患者がそれぞれ49%、48%、悪化した患者は33%、41%だった。

 以上の結果から、セカンドライン治療として、GDP療法のDHAP療法に対する非劣性は示され、かつGDP療法は有意に毒性が低いことから、「GDP療法は新しい標準治療といえる」とした。