免疫調節剤pomalidomideは、低用量のデキサメサゾンと併用することで、少なくともレナリドミドベースの治療とボルテゾミブベースの治療に抵抗性の難治性多発性骨髄腫患者(MM)に対して、高用量デキサメタゾンに比べて無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を有意に延長できることが明らかとなった。オープンラベル多施設無作為化フェーズ3試験MM-003の結果、示されたもの。レナリドミドベースの治療とボルテゾミブベースの治療が効かなくなった患者にはサルベージ療法として高用量デキサメタゾンが投与されているが、より有効な治療薬が登場したことになる。

 成果は12月8日から11日にアトランタで開催された米国血液学会(ASH2012)で、ギリシャAlexandra HospitalのMeletios A. Dimopoulos氏によって発表された。

 MM-05試験は、難治性のMM患者を、28日を1サイクルとしてpomalidomideを1日目から21日目まで毎日4mg投与し、デキサメタゾン(75歳以下は40mg、75歳超は20mg)を1日目、8日目、15日目、22日目に投与する群(302人、pomalidomide群)と、デキサメタゾン(75歳以下は40mg、75歳超は20mg)を1日目から4日目、9日目から12日目、17日目から20日目に投与する群(153人、高用量デキサメタゾン群)に割り付けて行われた。

 適格条件は、1.すべての患者が最後の治療に難治性、2.少なくとも2つの前治療がある患者(レナリドミド、ボルテゾミブの単剤や併用などの2回以上の連続したサイクルの投与を受けたこと、また適切なアルキル化剤の投与も受けていたこと)、3.すべての患者がレナリドミドとボルテゾミブによる治療が失敗した患者(増悪、または60日以内、部分奏効の患者は6カ月以内に進行、ボルテゾミブ不耐容)、4.難治または再発かつ難治患者(原発性難治患者:いかなる治療でもPD以外を達成していない、再発かつ難治:少なくとも1レジメンで2サイクル以上の病勢安定以上が得られた後再発し、最後の治療が終了して増悪になって60日以下の患者)とされた。

 主要評価項目はPFS、副次評価項目はOS、IWWGとEBMTによる奏効率、奏効期間(DOR)、安全性とされた。

 2012年8月31日で患者登録は終了し、2012年9月7日のデータカットオフ時点で、PFSは242イベントが起こり最終解析に、OSは106イベントが起こり中間解析となった。観察期間は短く中央値は4カ月で、6月末から8月31日までに34%の患者が無作為化された。有効性に関するデータはすべて、独立審査判定委員会(IRAC)が行った。

 PFS最終解析時点で主要評価項目が達成され、OSの中間解析で優越性の上限値を超えていたことから、データ管理委員会は、増悪していないすべての高用量デキサメタゾン群患者を、治験医師の裁量のもと、pomalidomideに低用量デキサメサゾンを加える群と加えない群に分けた試験にアクセスすべきとする推奨を出した。

 pomalidomide群の年齢中央値は64歳(35-84)、最初の診断からの期間中央値は5.3年、レナリドミドとボルテゾミブ難治性患者が73%、高用量デキサメサゾン群の年齢中央値は65歳(35-87)、最初の診断からの期間中央値は6.1年、レナリドミドとボルテゾミブ難治性患者が71%だった。

 PFS中央値はpomalidomide群が3.6カ月、高用量デキサメタゾン群が1.8カ月で、ハザード比0.45、p<0.001で有意にpomalidomide群が延長していた。レナリドミドとボルテゾミブ難治性患者に限定すると、pomalidomide群が3.2カ月、高用量デキサメタゾン群が1.7カ月で、ハザード比0.48、p<0.001で有意にpomalidomide群が延長していた。

 OS中央値はpomalidomide群が未到達(95%信頼区間:11.1-NE)、高用量デキサメサゾン群が7.8カ月(95%信頼区間:5.4-9.2)、ハザード比0.53、p<0.001で有意にpomalidomide群が延長していた。高用量デキサメタゾン群で進行した患者の29%がpomalidomideの投与を受けていた。レナリドミドとボルテゾミブ難治性患者に限定すると、pomalidomide群が未到達(95%信頼区間:8.5-NE)、高用量デキサメサゾン群が7.4カ月(95%信頼区間:4.3-9.2)で、ハザード比0.53、p<0.001で有意にpomalidomide群が延長していた。

 PFS中央値、OS中央値ともに、最後の前治療がボルテゾミブ、レナリドミドのどちらでも有意にpomalidomide群が延長していた。奏効は、IRACによる6カ月以上無作為化された患者でpomalidomide群(204人)は24%、高用量デキサメサゾン群は3%だった。

 副作用はpomalidomide群でグレード3/4の好中球減少症が多く発現していたが、一般的に忍容可能だった。