慢性リンパ性白血病に対する、CD19キメラ抗原受容体発現T細胞(CART19細胞)療法の奏効率は78%であったことが、10例の検討から示された。CART19細胞療法に伴い、サイトカイン放出症候群を発現するものの、抗サイトカイン療法が有効であったことが示された。12月8日からアトランタで開催された第54回米国血液学会で、米University of PennsylvaniaのDavid Porter氏が発表した。

 同グループは、患者から採取したT細胞を、CD19を認識するキメラ抗原受容体(CAR)を発現させるよう改変し(CART19細胞)、体内に戻す治療の有効性について検討しており、これまで3例の慢性リンパ性白血病(CLL)患者において高い効果があることを確認している。

 今回、10例のCD19陽性CLL患者を対象にCART19細胞を用いた治療を行い、安全性と効果、免疫原性を評価した。他の有効なB細胞性CLLに対する治療の選択肢がなく、2つ以上の治療後に進行しており、最後の治療から2年以内の患者を対象とした。

 年齢中央値は66歳、これまでに5レジメン(中央値)の治療を受けており、CART19細胞治療を行う時点で病勢は進行していた。投与された細胞は7.5×108個(中央値)で、これはCART19細胞1.45×108個に相当した。

 追跡期間(中央値)は8カ月(2-28カ月)で、10例中9例が有効性について検討された。1例は治療を開始したばかりであったため評価の対象から外した。

 9例中3例でNED(No Evidence of Disease)が得られ、完全寛解はそれぞれ28カ月、27カ月、7カ月維持されていた。9例中4例は部分寛解(PR)で、それぞれ4カ月、4カ月、3カ月、2カ月維持されていた。

 細胞注入に伴う有害事象は認められなかった。5例でグレード3/4の血液学的毒性が認められ、1例に腫瘍崩壊症候群に伴うグレード3の腎障害が認められた。CRが認められた患者において、B細胞形成不全と低γグロブリン血症が認められた。

 サイトカイン放出症候群(サイトカインストーム)は治療に対する反応が認められた全ての症例に発生しており、IL6値(6〜400倍)、IFN-γ値(89〜1000倍)、IL2R値(5〜25倍)が高値となった。TNF-α、IL2値は上昇しなかった。これらのサイトカインストームは、ステロイド治療(1例)、ステロイド+エタネルセプト+トシリズマブ(1例)、トシリズマブ(2例)ですぐに好転した。

 これらの結果からPorter氏は、治療に反応した患者においてサイトカインストームが発生したが、抗サイトカイン治療が有効であったこと、ただし、抗サイトカイン治療がCART19細胞治療の効果を減じないかどうか評価が必要なこと、効果は24カ月維持していたこと、巨大な腫瘤は消失した―とまとめた。